旅行記 ~ 愛知戦国絵巻 Day3 #9 有楽斎庭
maoP第9話:有楽斎庭
織田有楽斎の庭
織田信長の弟に、織田長益という人物がある。
京都に国宝となっている如庵(じょあん)を建立した人物で、別名織田有楽斎(うらくさい)とも呼ばれている。
犬山城の東に小さな庭園があるが、これは如庵が京都にあった時代をなるべく再現・整備した、その名も「有楽苑」である。
今回はこれを訪れてみることにした。
▲有楽苑の入口
入口は少し奥まったところにあるので一見分かりづらいが、道なりに進んでいけば問題ない。
注意事項や料金が書かれた看板をよく読んでから入場する。
▲有楽苑の由来などが書かれた看板
料金は1200円、三脚を使ったり室内を撮影することは禁止となっている。
ちなみに夏季限定だが、入場券を買うときに追加料金を払うことで、後述の茶室で抹茶を立ててもらうことができる。
▲有楽苑の入り口
▲地図が書かれたパンフレット、必見
少し色づき始めた葉を見つつ、有楽苑の中へと入っていく。
最初に目に入るのは、左手に現れる「元庵」という建物。
▲元庵の中門が最初にお出迎え
ここは最後にもまた訪れることになるうえ、室内には基本的に入れないのでここは中門から見える景色を撮影して次へ。
そんな元案からさらに少し進むと、大きな岩栖門の先に日本庭園が現れる。
▲岩栖門の先に庭園が
白い石が敷き詰められたこの綺麗な庭園。
パンフレットに記載されたポイントは2つ。
▲庭園はどこのものでも綺麗
それが「有楽椿」、そして「ひとつばたご」という空間。
詳しい説明は見つけられず申し訳ないが、日本庭園っぽい静かな空間が広がる場所であった。
その日本庭園から西側の「含翠門」に向けて伸びる道がとても良い雰囲気で、個人的には一番好き。
▲含翠門への小さな道
▲含翠門
右手に大きな庭園を見つつ木陰に入ると、「弘庵」という建物が現れる。
▲庭園の南側に広がる弘庵
▲庵の前の小さなししおどし
この建物の茶室にて、600円を事前に払っておくことでもらった引換券で抹茶をたててもらうことができる。
抹茶の前には小さなおまんじゅうが1つ出るが、甘納豆を使ったもので程よく甘い。
そして私は実は抹茶が苦手なのだが、ここの抹茶は苦みも甘みもほんのり漂うようで、私の舌もすんなり受け入れた。
本場というものはやはり違うようだ。
▲抹茶についての広告
建物内は一切の写真が禁止なため、抹茶の写真を撮ることはできなかった点については悪しからず。
こればっかりは、是非とも夏に現地に足を運んでみて味を確かめてみてほしい。
▲弘庵の庭
この庭は弘庵の中からも確認することができる。
こんな綺麗な庭を見つつ茶を窘めるのだから、それは実に贅沢な時間であったことは言うまでもない。
国宝・如庵
弘庵の庭を出て進路を左手に取ると、右手に国宝の「如庵」がついに姿を現す。
▲如庵入口の嵩門
▲如庵の建物は外からのみ確認可能
国宝であるため室内にはほとんど近づけないが、その片鱗だけでも外から案内板を介して確認することができる。
夏真っ盛りなため暑いといえば暑いが、まわりの緑に押され、少しばかり涼を感じることができた。
▲如庵のまわりに散らばる小さな装飾
まるでジオラマの世界に迷い込んだかのような庭園。
空から指が現れてししおどしの場所を調節していてもおかしくないような、
、、、いやこれはちょっと表現が独特だったか。
元庵の緑
如庵の北に位置するのが「元庵」である。
順路に沿って訪れると、一番最初に中門から見えた建物に一番最後に訪れることになる。
▲元庵の入口、風情を感じる
パンフレットに記載されている名所は、写真のように小さな看板が備え付けられている。
▲元庵の様子
こちらも如庵と同じく建物内に入ることはできず、外からちらちらっと暗がりを見つめることしかできないが
広い縁側や大きな障子が、格式高い建物であることを窺い知ることができる。
元庵に極力近づいて撮影、まるでこれからこの庵に入ろうとしているような、そんなシチュエーション。
▲中には入れないが、中に入ってみたい気分だけでも
元庵の縁側の反対側を見てみると、
▲待合所?のような椅子
招かれた客はこの日陰で待機していたのだろうか、そんな小さな椅子を確認することができる。
実際にどのように使われていたかは分からないが、それを想像するのも楽しみのまた一つだ。
それにしてもこの付近に生えている苔は実に形が整っており、そして緑が鮮やかに映え綺麗だ。
有楽苑の管理者が毎日怠らず剪定を行っているのだろう。
▲鮮やかな色をたたえる苔
元庵の近くからは深緑の竹林を眺めることができる。
▲これまでの緑と実に対照的
様々な「緑色」を楽しむことができるのも、この庭園の面白さといってもいいだろう。
春や秋、冬にはどのような景色が見えるのか、想像するだけでも楽しみだ。