旅行記 ~ 愛知戦国絵巻 Day2 #5 家康所縁
maoP第5話:家康所縁
岡崎へ参陣
日本の戦国史に燦然と輝く徳川家康。
この人物を知らない人はいないだろうが、生誕地はどうだろうか?
家康が生まれたのは愛知県のちょうどど真ん中あたり、岡崎という場所である。
1543年の生誕で、幼いころは竹千代と呼ばれたが、わずか3歳にして今川義元の人質として駿河に送られた。
今回はそんな家康の生誕の地、岡崎を、この5話と6話に分けてお送りしようと思う。
家康からはちょっと外れるが、岡崎はジャズが非常に有名な場所だという。
ジャズストリートやジャズのレコード、雑誌、オーディオ機器がこの街に多く眠っている。
▲岡崎はジャズの街だ
今回は家康が目当てなのでジャズには触れないが、いつかそちらに興味を持った暁には、再び岡崎を訪れることになろう。
名鉄の東岡崎駅で下車し、地下通路を上がって駅を俯瞰する。
▲東岡崎駅
JR東海道本線にも岡崎駅があるが、岡崎城などの歴史ある名所は東岡崎駅のほうが圧倒的に近い。
また東岡崎駅はバス路線も充実している。
東岡崎駅から岡崎譲までは1㎞程度あるが、バスを使えば降り注ぐ日差しを避けつつ涼しく移動できるのでお勧めだ。
しかし先に岡崎城に移動する前に、東岡崎駅の近くで家康所縁の名所を見ていくとしよう。
家康の像
東岡崎駅の目の前には立派な歩道橋、、もとい自由通路が整備されている。
駅すぐ近くの階段を上がると、屋根付きのテラスのような場所に到着。
▲東岡崎駅目の前の歩道橋
自由通路には、2023年の大河ドラマ「どうする家康」の宣伝用のビラが吊り下げられていた。
家康生誕の地としてこれほど大きな宣伝材料に乗っからない手はない。
自由通路を北に少しばかり進むと、家康の大きな銅像が目に入る。
▲徳川家康の像
2019年11月に建てられたという新品の銅像、日本最大級の騎馬像ということもあって間近で見ると圧巻だ。
そして馬のたてがみ、甲冑、弓矢の1本1本、家康の顔や指といった細かいところまで実に精巧にできている。
▲家康像を後ろからも眺めてみる
この家康像は25歳の姿を現しているという。松平姓から徳川姓に改めたのが25歳。
岡崎に来たからには実際に見てみたい、一見の価値ある代物だ。
六所神社への道
東岡崎駅のすぐ東側には踏切があるが、その手前になにやら鳥居があるのが車窓からも見える。
▲六所神社の鳥居が見える
これは「六所神社」という神社の鳥居である。
踏切を挟んだ先に参道が続くという珍しい構造をしている。
▲踏切の先に参道が続く
六所神社は家康の祖父が建てたという神社で、家康が生まれる直前にも参拝が行われたり、
1602年には家康より直々に御朱印状を下されたりと、家康と実に所縁の深い神社なのだ。
踏切を渡って先へ進むと、松の木の続く参道へ。
▲なかなか趣のある参道
あたりは普通に家が立ち並ぶし車も通るので、なかなか面白い造りである。
そんな松の木を左右に見ながら進むと、六所神社の入口へ到着。
▲六所神社入口
少し苔むした鳥居と灯籠が歴史を感じさせる。
鳥居に一礼してくぐると、右手には立派な屋根の手水舎。
▲六所神社、手水舎
そしてそのすぐ先には徳川家の家紋がついた馬の像が。
▲徳川の紋章のある馬
「馬神」と書かれたこの像、岡崎城にも同じようなものがあったので
家康に何か関係があることは察することができるが、調べてみてもちょっと分からなかった。
家康にはいくらか愛馬がいたというので、その中の1頭を模したものだろうか。
そんな馬の像を右手にみて境内を進んでみると、左手に階段が現れる。
朱塗りの門が見えるのでこの先が本殿だろうが、階段がいかんせんかなり急であった。
▲急な階段の先にある楼門
後ろに落っこちないように慎重に上り、楼門の目の前へ。
▲広角にしないと映らない巨大な楼門
大きさもさることながらひときわ真っ赤なその色が目を引く。
そこにアクセントを入れるかのように、ところどころに配された金色が実に絢爛さを引き立てる。
そして白色の幕に映るのは徳川家の家紋、まさしくここが徳川家所縁の神社である証跡といえよう。
家康の手形
巨大な楼門をくぐり拝殿・本殿へ。
ここは安産などによく効力があるとされている神社で、
訪れた際にも、本殿の中では夫婦が安産を祈願するために祈祷が行われている最中であった。
▲楼門に引けを取らない荘厳っぷり
境内には神供所や神楽殿といった建造物がいくつか並ぶが、
▲神供所
▲神楽殿
その中でも、小さいながらも目に入るのは、拝殿のすぐ隣にあるこれ。
▲家康の手形・・・?
家康の実際の手形の型抜きが設置されている。
手形の部分がへこんでいるので、実際に自分の手を置いて、家康の手形と比較できるというわけだ。
私も手を置いてみると、私の手より型抜きのほうが少しばかり大きかった。
まぁ私の手は大きいわけではないから、家康の手は実に標準男性くらいの大きさだということだろう。
境内には小さく華奢ながらもしっかり根を生やす「しおがま桜」があった。
この桜は天然記念物となっている。夏なので桜は無論咲いていなかったが、春には可憐な花を咲かせるに違いない。
▲家康の手形・・・?
六所神社は楼門、拝殿、本殿、そして神供所が国指定の重要文化財となっている神社である。
家康所縁の地探訪という名目でなくとも、
この鮮やかな朱塗りの建造物や天然記念物の桜を見に来る価値は十二分にあろう。