旅行記 ~ 5年ぶりの函館編Day1 #1 5年ぶりの函館
maoP第1話:5年ぶりの函館
各話紹介
気になる回があれば以下からワープしてください。
書いてる私的にはもちろん1話から順番に読んで頂ければ幸いですが。
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5年前:青春18きっぷの移動
札幌或いは新千歳空港から函館への移動、となると、基本的にはJRの特急「北斗」を使うことが多いように思う。
人によっては高速バスを選択するかもしれない。
大きなキャリーバッグを持っているならば尚更、観光バスのトランクルームにぶん投げておけるので
座る際に網棚に荷物を載せるとかそういうことをしなくてよいのはある程度気が楽だ。
しかし、5年前、2017年4月の私は入社式を明後日に控える、ただのそこらの高校生卒業したて人間であった。つまり
圧倒的金欠
である。
しかし時に人間はそんな圧倒的金欠でも旅行はしたい、なんとも欲にまみれた生物。
そんなときに使える格安切符、それがJRの「青春18きっぷ」。
北斗号は往復だけで2万円弱はとられるところ、青春18きっぷは5日間も使えてたったの12000円!実に破格な切符だ。
しかしそれと引き換えにこの切符は残念ながら特急などの列車は使えないので
▲当時はばりばり主力のキハ40系
移動手段は当然のように普通列車になる。
当時の時刻表を残していなかったので明確なところまではわからないが、
手元にある写真の時刻を見るに苫小牧には12時過ぎにいるようであった。
そして途中駅の伊達紋別では14時半、室蘭本線の終着にあたる長万部には15時半前の到着。
既にこの時点で札幌からは間違いなく5時間近くを浪費しているが、
まだ距離的には2/3が終わったところで、まだ1/3も残っているというのが北海道のバカでかさを物語る。
▲札幌から函館は道なりに進むとおよそ300kmある
当時から長万部駅というのがなかなか鬼門で、長万部の町のあたりはわりと拓けた平野なのだが、
それとは対照的に正直あまりに過疎っており、列車の運行本数がとても少ない。
長万部を出発する列車に照準を合わせないとなかなか先に進めないのだ。
▲函館までもちろん鈍行
長万部を出発した気動車はのんびりと噴火湾の西側を進み、八雲町、そして1時間半で森町へと至る。
噴火湾は渡島半島の東側に位置するので夕日は見れないが、朝日はしっかり見える、そんなロケーション。
とはいえこの時間帯は空自体がいい色合いになるので、
夕日そのものが見れなくてもままいい景色になってくれる。
▲噴火湾の景色
森駅に到着、特急列車だったら1分でドアを閉めるところ、鈍行はそうもいかない。
まずは札幌方面に向かう貨物列車と行き違い。
▲駒ヶ岳がよく見える森駅
続けてしばらく待った後、札幌からやってきた特急北斗を先に函館へ通すため道を開ける。
特急を先に通すのはこの世界では常識だ。行き違った貨物列車も、どこかで特急に道を開けたに違いない。
普通列車は足が遅いだけでなく、運行上の優先度が低いためこういう待ち合わせも往々に発生する。
そんなわけだから、
▲函館駅着、すっかり夜に
札幌を朝10時頃に出ても、函館駅に着いた頃にはすっかり夜になってしまうのであった。
実に9時間の乗り鉄旅になった。
ふと我に帰れば「時間の浪費しすぎでしょばっかじゃないの」となることもあるけれど、
当時の私はこれが実に一般的な旅スタイルだったし、
時間に囚われない、昔ながらののんびりとした旅というのも味があっていいものなのだ。
今回:特急で贅沢移動
函館本線特急北斗4号:札幌駅6:52 → 函館駅10:38
時は流れ2022年6月。すっかり社会人も板についてきた私はすっかり旅慣れた青年になり。。。(自分でいうな)
標準的な旅のスタイルもすっかり変わってしまったものである。
▲函館行特急北斗のグリーン券
この旅行は当日の朝寝れなかったときのいわゆる深夜テンションで急遽決めたので
当日の朝切符を購入。そこで口から飛び出たのは
「じゃあグリーン席で」
うーん太っ腹。そして座席はご立派。
▲北斗のグリーン車
そんなグリーン車で開ける朝ごはんは実に最高なのである。
今回買ったのは札幌駅コンコースで販売している「海鮮えぞ賞味」。
何度か食べたことがあるがやはり駅弁の定番というか、札幌駅で買う駅弁といえばコレ、みたいなところある。
▲海鮮えぞ賞味は安定の旨さ
当時から噴火湾の景色は変わらず、太平洋特有の穏やかな海原が青々と広がっている。
▲噴火湾は左手に映る
しかし「乗り過ごしたら折り返しで来た道戻ってまう!」という普通列車特有の緊張感はないから
私はほとんど人の座っていない、静かで超絶快適なグリーン車の座席をリクライニングで30度くらい傾け、
見事に爆睡をかましていたのであった。
そんな私には目もくれず、列車は4時間ほどで函館に到着。
▲函館駅に到着した北斗号
道内の普通列車をいくつも乗り継いで、朝出発したら目的地に夜に着いたなんていう旅はあまりやらなくなってしまった。
出発した時間に差はあれど、朝に出れば朝のうちに300kmを移動してしまうのである。
特急列車というのは実にすごいものだ。
とはいえ、たまには昔のようにのんびりと鈍行の旅、というのもありといえばあり。
今回は導入だけで終わってしまったが、次回からは函館旅行の旅を絶賛お届けすることにしよう。