旅行記 ~ 出雲旅行 -トロッコと縁結びの旅- Day4 #9 神の恋予知
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第9話:神の恋予知
八重垣神社
松江市街の南に、最強の恋愛パワースポットがあるのをご存じだろうか。
神社の名前は「八重垣神社」、一説には出雲大社より強力なパワーがあるそうで。
そしてここの名物はなんといっても鏡の池での縁占い。これが若い女性に大人気なのだそうだ。
男の私も、どうせ出雲に来たからにはということで、その占いとやらをやってみることにした。
一畑バス 玉造線 松江しんじ湖温泉行 : 温泉下7:53 → 松江駅8:29
松江市営バス23系統 かんぺの里行 : 松江駅8:33 → (八重垣神社) → かんぺの里8:56
※かんぺの里の近くにある神魂神社は後述する、そちらに用がある方は上の目次から飛んでください。
松江市営バス31系統 松江しんじ湖温泉行 : かんぺの里9:20 → 八重垣神社9:30
私は先に神魂神社に行ったのでこういうルートになったが、
松江駅から八重垣神社へは結構な本数バスがあるようなので、まぁある程度事前に下調べしておけば問題ない。
▲八重垣神社バス停
ある程度使っている人も多いからか、屋根付きの待合所は比較的綺麗で、清掃が行き届いているようであった。
さっそく雨上がりの八重垣神社へ赴く。
あたりは比較的住宅なども多い場所であるが、神社のまわりはたくさんの木々で囲われ、少し神聖な雰囲気である。
▲八重垣神社
一礼して神社へ入ると、参道の目の前に大きな本殿が据わる。
白と赤のぼんぼりが特徴的で、お賽銭箱の上には出雲大社と同じしめ縄がかかっている。
▲装飾のおかげか、なんだか可愛らしい本殿
▲横からみると本殿の屋根には出雲大社と同じ木のバツ印の装飾
八重垣神社、後述する神魂神社、そして玉作湯神社でも同じようなしめ縄、そして屋根の木の装飾。
これは「大社造り」という、この地方の伝統的な神社の建築様式の1つなのだ。
出雲の神社特有の建築様式を目の当たりにしたところで、さっそく占いをやってみることにしよう。
縁占いは社務所で100円で専用の和紙を買うところから始まる。
この和紙はそれぞれ書かれている内容が異なる、つまり御神籤のようなものだ。
上から順番に取るスタイルとなっているから、つまりこの瞬間から占いは始まっているのだ。
▲和紙を買った直後はまだ何が書いてあるか分からない
八重垣神社の「鏡の池」は、社務所から歩いて3~4分ほどかかる場所にある。
この途中に和紙が破けてしまったらそれもまた占いの結果、だそうで、つまり縁はしばらくないということになるらしい。
▲鏡の池への道
小さな川そして道路を渡ると、小さな森へと誘われる。
この中に件の鏡の池があるというわけだ。
▲徐々に森へと入っていく
鏡の池へ向かう参拝者用に整備された道をもう少し歩くと、不意に左手に緑の池が現れる。
▲鏡の池登場
私のほかには1組2名のおばちゃんたちがおり、占いを始めて数分経ったところであった。
私も財布から10円を取り出し、池に和紙を浮かべ、その上に10円を載せる。
載せる硬貨は10円か100円と決まっているらしい。
これ以外を載せると条件がずれて占いの意味がなくなってしまうので、どちらかの硬貨に限定すべし。
▲和紙に10円を載せ、池のほとりで待つ
すると和紙が濡れ、書かれた文字が浮かび上がってきた。
「神の恵により道開く」、、、つまり神様がなんとかしてくれるということか、ナルホド。
そして和紙の左側には「南と西」の文字も。これは運がある方角が書かれているとのことだ。
さて和紙が沈むまでの間に、占いの結果について触れておくとしよう。
和紙が沈んでも占いの結果が分からないのであれば、結局何が何だか分からないからな。
あくまで俗説であり過去の経験談を探してみた結果に基づく点に注意してほしいが、
和紙が15分以内に沈むと近い将来縁があり、15分経っても沈まないと縁はまだ遠いとのことだ。
公式サイトなどでは15分以内と一括りになっているが、1分でスッと沈む場合とかはまじで縁が近いらしい。
逆に30分経っても沈まなかった可哀そうな女性もいるらしく、バスの時間などが迫ったため沈む前に撤収してしまったパターンもあるという。
▲池に和紙が浮かぶ
そしてもう1つ、和紙が浮かべた場所の近くで沈むと近い人と縁があり、遠くで沈むと遠い人と縁があるという。
ここでいう近い人遠い人が具体的に何を指すかは、公式サイトなどではやはり明確でなかったが、
単純に「住んでいる場所から距離が近い・遠い」の問題であるようだ。
例えば池の遠くですぐに沈むと、近い将来日本の果てや異国の地で出会いがあるかも、みたいな結果になるというわけだ。
個人的にはTwitterとかのSNSでつながってる人も近い人にあたったらいいなぁーあーいやこれは独り言。
この場所はスサノオノミコトがヤマタノオロチから稲田姫(クシナダヒメ)を匿ったとされる池なのだという。
結果スサノオノミコトと稲田姫は結ばれた(諸説あり)ので、縁結びの力が強いパワースポットとして知られるようになったそうだ。
鏡の池には稲田姫の力が強く浸透しているらしいが、実は数匹イモリもいるとのこと。
イモリが人が見えるところに姿を現すのは珍しいらしい。
▲イモリが和紙の近くを横切った
イモリが和紙に近づいたりするとより運勢が良い判定になるという。ほえー。
もしかしたら稲田姫の化身がイモリなのかもしれない。
結果、私はすぐ近くで8分程度で沈んだ。
最後は硬貨の周りに水がたまり始め、2つに折れるように、音もなく静かにしかしとても美しく、沈んだ。
▲沈む様子 ※撮影動画から切り抜き
私と一緒に和紙を浮かべていた2人組のおばちゃんは
片方は近いところで5分程度、もう片方は少し離れたところで15分程度で沈んだようであった。
なるほど確かに人によって結果が違う。
まさしく恋の神様の未来予知というお遊びなのだな。
神魂神社
時は少し舞い戻り、松江からバスに乗り込み、終点のかんぺの里で降りたところ。
▲乗った松江バス
地図で見るとかんぺの里のバス停周辺は何もない田舎の様子であるが、
それは現地に降り立ってみても何も違い[たがい]のない、ザ・田舎の景色が広がっていた。
▲田舎という言葉が相応しい景色
さてこんな辺鄙な場所になにがあるのかというと、平安時代に建てられ、
国宝指定された最古の大社造りの本殿が鎮座する「神魂神社」(かもすじんじゃ)があるのだ。
まさしく知る人ぞ知る歴史ある神社なのである。
▲神魂神社入り口
森の中に建つ神魂神社。入り口からして神秘的で、それでいて少し恐怖も感じるような雰囲気である。
▲徐々に鬱蒼とした森へと入る参道
途中で道が二手に分かれる。
右手はそのまま本殿へ直結する階段、真っすぐは迂回する形で本殿へ向かう坂道。
どちらを進んでもすぐに本殿へたどり着けるし、どこか変なところへ連れていかれることはない。
▲坂道ルートを選択し、のんびり登る
坂を登りきると、不意に本殿のある境内が現れる。
▲森の中に突如現れるような社殿
入り口からここまではわずか2~3分程度の道のりだが、
ここまでのルート解説・写真がないと、まさしく未踏の山奥にひっそりと建つ神社といった具合だ。
▲ミニ大社造り
中央に鎮座するのが、上述の通り日本最古の大社造りの本殿。
▲国宝指定された本殿
▲しめ縄も忘れてはいけない
この神社はイザナミを主祭神としているらしいが、中世末期からでそれ以前のことは分からないらしい(wikiより)
出雲大社では大社造りの本殿には一切近づくことができなかったが、
ほかの神社を巡るうちに、ふと大社造りに間近に迫ることができる恰好となった。
1つの地を重点的に廻るというのは、その地方をよりよく知ることができる旅スタイルなのである。