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旅行記 ~ 出雲旅行 -トロッコと縁結びの旅- Day1 #2 神の浜

maoP

2022年8月3日~7日の出雲旅行、第2話です。
旅行に出かける皆さまに向けたメモとしても役立てば幸いです。
拙い文章ですがどうぞお楽しみください…。
※本旅行はマスクや消毒などの感染対策を十分に実施した上で敢行しています。
※執筆日:2022年8月13日

※前回(第1話:出雲大社)はこちら
※各話にはPCでは左のサイドメニューから、スマホでは最後部のメニューからも飛べます

第2話:神の浜

稲佐の浜

出雲大社の参拝を終え、しかしまだ夕日には時間があるなと思いつつ、時計とにらめっこする。
前話の通り、この日は天気が良かったので眺めの良い夕日が望めるだろうと考え、
宵闇が沈むまでの時間は出雲大社の西にある「稲佐の浜」で過ごすこととした。
・・・実際は出雲大社と稲佐の浜の合間の時間に
出雲大社の東に位置する博物館に出向いて、たくさん埴輪や青銅の銅鐸・銅鏡を眺めて撮ってきたのだが、
公式ページを見るにどうやらインターネットに載せるには許可がいるらしいのでここは割愛する。
国宝級の銅鏡、銅鐸、銅剣、土器、勾玉など古代の息吹を感じられる展示がいっぱいなので、
出雲大社に出向いたついでに是非見に行ってみてほしい。

さて、そんなわけで出雲大社から西に伸びる「神迎えの道」を歩き、稲佐の浜へ。
神迎えの道
▲神迎えの道を歩く
この道がなぜ神迎えなどと呼ばれているのか。
旧暦の10月に出雲に神様が集まるとき、稲佐の浜を玄関口に、この道を通って出雲大社まで行くからなのだという。
稲佐の浜は神を迎い入れるための神聖な場所、つまり神の浜なのだ。
そしてこれは有名な話だが、この10月に全国から神が集まるので、全国各地は神無月というのに対し出雲は神在月なのだ。
その神迎えの道を進むと、稲佐の浜に立つ「大灯籠」を見ることができる。
神迎えの道 大灯籠
▲神をお迎えする場所に立つ大灯籠
その姿は、まさしく門構えというか、神様をお迎えするにふさわしい風貌だ。
私は運よく、2本の大灯籠の間に西日がちょうど入る、ある種神秘的な時間に赴くことができた。
やはり天照大神の加護があるのかもしれない。

稲佐の浜すぐ近くにあった自販機でペットボトルを1本買い、ポケットに突っ込んで稲佐の浜へ。
護岸工事をしていたので少し物々しい雰囲気ではあったが、
海水浴場は穏やかに波が押し寄せては引いての自然の掟が淡々と行われ、それはそれはゆったりとした時間が流れていた。
稲佐の浜
▲稲佐の浜と西日で1枚

稲佐の浜にきたら忘れてはならないのが「弁天島」である。
昔はだいぶ沖にあったようだが、今は砂が堆積し歩いて近づけるところにある。
稲佐の浜 弁天島
▲青空に映える弁天島
弁天島をよく見ると鳥居があるのがわかる、つまりここも神社の1つなのである。
綿津見神(ワタヅミ)を祀っているので、漁師さんなどの信仰の対象となっているそうだ。
稲佐の浜 弁天島
稲佐の浜 弁天島
▲夕日に弁天島をかざす
カップルがぱしゃぱしゃ自撮りしていたので、それがいなくなるのを待ち、私も弁天島の撮影に入る。
ここは王道に、弁天島の後ろに夕日を映す構図。
息をのむような幻想的な風景が目の前にあった。

夕日一枚、また一枚

徐々に日も傾き、日の入りの時間が迫ってくる。
日の入りはこの日は19時11分だったのでまだまだ時間はあるが、あたりは少しずつほのかに染まり始めていた。
きづき海浜公園 夕焼け
▲場所を移動し、きづき海浜公園へ
あたりは風が少し強くなり、海岸に押し寄せる波が少しずつ荒くなっていった。

夕焼けが少しずつ色味を増していくたび、
移り変わる表情を残そうとついついカメラアプリに手が伸び、夕日或いは夕焼けの写真が1枚、また1枚と増える。
きづき海浜公園 夕焼け
▲少しずつ夕日は海に近づく
あたりにも夕日を見ようとする人たちが少しずつ増え始めた。

一番鮮やかだったのは18時52~55分ごろ。
きづき海浜公園 夕焼け
▲稲佐の浜を鮮やかに彩る
きづき海浜公園 夕焼け
▲一番オレンジ色が強かったのはこの時間か
薄暗い雲の切れ間からのぞき込む夕日が、より彩り強く、日御碕の形を鮮やかに映し出す。
そして足跡によってできた凸凹状の砂浜が美しく照らされる。
こればっかりは、言葉なく見入るしかなかった。
もうしばらく砂浜に座り込んで夕日を眺めていたが、
水平線にどこからか現れたか知らぬが雲がたちはじめ、夕日は雲に隠れるようになった。
きづき海浜公園 夕焼け
▲これもこれで幻想的で美しいことは間違いない
日の入りの時間も近いし、そろそろ今回の旅の宿に向かわないといけないので、ここで切り上げ。
まぁ残りの3日、どこかで夕日に巡り合うチャンスはあるだろう。

静寂のともしび

夕日を背に出雲大社の駅へ戻る。
ここからは完全に癪を稼ぐための余談なのですっ飛ばしてもらっても構わないが、
つまるところ、夜の出雲もまたいいぞ、というお話だ。
神門通り
▲すっかり人の気配が消えた神門通り
こういう観光地は本当に人がはける時間が早い。
まだ日も完全に沈んでいないというのに、出雲大社に通じる神門通りからは完全に人の気配が消え、
真っ白な灯りが静かに、それは本当にただ静かに灯り続けていた。
昼間は賑やかな観光地出雲も、夜には静寂の顔を見せる、それもまたいいものだ。
出雲大社前駅
▲出雲大社前駅すぐ近くに安置される古い車両

そんな静かな出雲大社前なので、昼間はやはり賑やかな駅・列車も
この時間はすっかり人影が消え、私1人しか待合室にいない時間が長く続いた。
待合室に置かれた扇風機のモーター音が随分やかましく聞こえたものである。
出雲大社前駅
▲夜の出雲大社前駅
改札は機械的にしかし正しく出発10分前に行われ、私は1両編成の電車に乗り込む。
列車内もしばらく私1人しかいなかったが、出発の数分前に幾らか人が乗り込んできた。
それでも3~4人程度の、すっかり田舎を走る夜のローカル線のサマであった。
出雲大社前駅
▲夜の一畑電車

一畑電車大社線 川跡行 : 出雲大社前駅19:53 → 川跡駅20:04 列車は定刻通り出発し、夜の島根半島を東へ走り川跡へ向かう。
車窓からは、大社前とは実に対照的に、煌々と輝くショッピングモールが見えた。
一畑電車 車窓
▲遙堪駅~高浜駅間車窓
一畑電車
▲川跡駅の列車交換
あとは列車を乗り継いで宿に向かうだけなのでざっくり割愛させてもらおう。
一畑電車北松江線 電鉄出雲市行 : 川跡駅20:07 → 電鉄出雲市駅20:16 山陰本線特急スーパーおき6号 米子行 : 出雲市駅20:36 → 玉造温泉駅20:55 ・・・と思ったが、玉造温泉駅の周辺は夜になると街灯もほとんど灯らない、まさしく真っ暗闇に放り出される形になる。
予めタクシーを手配するか、宿に送迎バスを頼んでおくかしておかないとだいぶ危ういが、
私は1人旅の素泊まりなのでちょっと送迎バスを頼むのに抵抗があった。
結果どうなったかというと、別のお宿の送迎バスに途中まで送ってもらうことになったのである。。。感謝してもしきれない。
まぁそのバスは誰もその宿のお客がいなかったから戻るだけで、
目的地も同じなので途中まで送っていくことに何ら抵抗はなかっただろうが、
心情的にはやはり大変申し訳ないというか、ご迷惑をおかけしたというか。

第1話:出雲大社
第2話:神の浜
第3話:雨の中の奥出雲おろち・往路
第4話:雨の中の奥出雲おろち・復路
第5話:叶い石に願いを
第6話:黒き国宝
第7話:出雲サイクリング旅
第8話:玉造今昔物語
第9話:神の恋予知
第10話:島根最果て・美保関
第11話:彩れ!松江の空
第12話:青藍ノ海
他の旅行記はこちら