旅行記 ~ 出雲旅行 -トロッコと縁結びの旅- Day1 #1 出雲大社
maoP第1話:出雲大社
一畑電車、見参
夏は私の住む北の大地の玄関口、新千歳空港から、出雲空港に直行便が出ている。
夏限定である。
限定という言葉に弱いという特性も相まって、争奪戦の末勝利しチケットを入手した私は、
来年で引退するという青色のトロッコ列車(検索除け)に乗るため出雲の地に降り立つ。
▲出雲の地に初めて降り立つ
しかしせっかく出雲に来てトロッコ列車だけなんて、そんな旅は実に湿気た旅である。
出雲には出雲大社を筆頭に様々な神社があり、神の地とも言われている。
そして玉造温泉などの温泉地、松江城などの国宝、夕日や海の絶景ポイントも数多くある。
今回はトロッコ列車を目的としつつ、出雲の代表的な観光地をあっちこっち巡る旅行記としよう。
▲決して縁結びが目的ではないことを断っておく
JAL3426便 : 新千歳空港12:00 → 出雲縁結び空港13:55
一畑バス 空港連絡バス : 出雲縁結び空港14:10 → 出雲市駅14:40
さて、出雲市駅に到着しロッカーに荷物をぶん投げた私は、まず電鉄出雲市駅へ。
出雲市駅から出雲大社までは、例えば
バスを使う、電車を使う、タクシーで贅沢でワイルドな旅をする、といった分岐ルートがいくつかあるが、
むろん、時間が正確なのは一畑電車を使った方法だ。
(一畑電車にはフリーパスがあるがこれは別の回で触れることにする。)
▲電鉄出雲市駅
しかし一畑電車も途中川跡駅で乗り換えが必要なため、そこまで便利かというと正直微妙である。
とはいえ、出雲市の市街地を抜けるためバスは10分以上遅れるし、(5日目の帰りはえらい目にあいそうになった)
出雲市駅から出雲大社までは実はなんと直線距離でも8㎞弱あるので、タクシーは結構お金がかかる。
出雲市駅のすぐ近くに出雲大社があるわけではないのだ。
一畑電車北松江線 普通 松江しんじ湖温泉行 : 電鉄出雲市駅14:55 → 川跡駅15:03
一畑電車大社線 普通 出雲大社前行 : 川跡駅15:07 → 出雲大社前駅15:18
当の私はといえば、安定の一畑電車を選択。
JRの駅と半透明な壁で隔離された一畑電車のホームには、白を基調とした一畑電車が出発を待っていた。
▲いかつい目つきの一畑電車
乗り換えを含めた出雲大社までの所要時間は約23分。
バスは定刻通りでも約30分、タクシーもまぁそれくらいということで、時間的に見ても若干一畑電車に分がある。
実際出雲大社行の1両の電車には、たくさんのお客さんが乗り込んでいた。
電車は定刻通り、出雲大社前駅に到着。
▲出雲大社前駅
▲方言が強いベンチ
出雲大社前駅はステンドグラスを採用した明るい色味の駅舎であった。
▲おしゃれな駅舎
日本神話に触れる
さて、ずいぶん長々と出雲大社までの道のりを書いてしまったが、いよいよ本題の出雲大社である。
まぁそれだけ、出雲大社に行くのも割と大変だということなのよ。
▲出雲大社に通じる神門通り
神門通りを約6分程度歩くと、なるほど出雲大社の鳥居が見えてくる。
直前は少し急な坂になっているので注意。
▲出雲大社の入り口
立派な鳥居に巨大な石碑、まさしく神の国・出雲の神社群の総本山といえよう。
この鳥居がある広場は「勢溜」(せいだまり)といって、人の勢いが留まる場所のためこういわれているのだという。
そんな「勢溜の大鳥居」を一礼してくぐり、案内板を見る。境内もかなり広い。
▲出雲大社案内図
実際出雲大社の拝殿へ行くまでに10分以上かかっているので、
普通に一直線に歩くだけで500メートルの距離はあるということだ。
参道の両脇には木々が生い茂り、木陰を作り出している。
▲参道を下る
橋を1つ渡ると、なにやらウサギの小さな像が。
注意しておかないと見逃してしまいそうな、それはそれは小さな像である。
▲白兎が2匹
碑を見ると「日本酒発祥の地」と書かれている。
そしてこのウサギは、日本神話の「いなばのしろうさぎ」の白兎であろう。(詳細はこちら
)
いなばのしろうさぎのお話は出雲の国のだいこくさまが出てくるから、出雲大社に置くにはぴったりである。
出雲に来て3時間、さっそく、日本神話の一端を垣間見ることができた。
白兎に挨拶して、再び出雲大社の中心部を目指す。
道中の松の参道は、松を傷めないよう両側を通るように指示がある。
▲松の参道と鳥居
参道を歩きもうすぐ出雲大社の本殿も目の前に、というところで、右手に何やら人だかりが。
▲何かの儀式の様子を象ったようだ
これは「ムスビの御神像」と呼ばれるもので、
先程のいなばのしろうさぎにも出てきただいこくさま・・・もとい大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が、
日本海の荒波に乗ってやってきた魂たちから力を授かる様子を、ダイナミックな彫刻で表したものなのだという。
結果として大国主は「ムスビの大神」になって、
生きるもの全てが幸福になる縁を結ぶ神になられ「縁結びの神」として慕われる、、、ちゃんちゃん。
というわけだ。
・・・・・?????
▲こちらが大国主
▲この黄色の弾が「魂」なのだという
旅行記を書くにあたって適当なことは書かないように色々調べたが、
ふむ、、、付け焼刃で日本神話を理解するのは至極難しいな。
ともかくこれもまた日本神話の一部に触れられる貴重な瞬間だということだ。
大国主にお目通りを
日本神話に触れたところでようやく出雲大社の本殿が見えてくる。
出雲大社に参拝するまでの道のりはやはり長く険しいのだ。
▲手を清めてから向かいましょう
手水舎で手と口を清め、銅鳥居に向き合う。
ようやく出雲大社の本殿、つまり大国主にお目通りが叶う瞬間だ。
▲銅鳥居
鳥居に一礼をしてくぐると、、、
▲ようやくテレビで見たことのある景色が
出雲大社の巨大な「拝殿」がまず登場である。
それにしても敷地が広いったら広い!
拝殿の脇を通りさらに奥へ向かうと、出雲大社の本殿に通じる階段のお出ましだ。
▲参拝はこちらで行う
本殿へ直接出向くことはできないが、この「八足門」の後ろには本殿の屋根を確認することができる。
何か授かるにはやはり語呂合わせだろうということで「御縁」=「5円」を入れて、神様に縁をお祈り。
ここでいう縁とは別になにも彼氏彼女だけのことじゃない、色々な人と良い交友関係ができますように、というお祈りでもあるのだ。
おっと、出雲大社で忘れてはならないのが、「二礼四拍手一礼」でのお参り。
二拍手ではなく四拍手なのである。
出雲大社を紹介するページでは絶対書かれているし境内にも案内があるが、間違って二拍手で終えて「あっ」なんてことにならないようにしたい。
出雲大社はめちゃめちゃ広いので、様々な施設、社がある。一部だけだが見ていくとしよう。
まずは「神馬神牛像」(しんめしんぎゅうぞう)。
触れると子宝祈願と学力向上に効果があると言われているパワースポットだ。
▲太陽の光に照らされ暑そうだ
左回りに回っていくと、祈祷受付所の建物が見える。これはなんだか新しそうだ。
▲立派な祈祷受付所
本殿の両脇にも道が続いていて、小さな社殿群がひっそりと建てられている。
▲アメノホヒノミコトの氏社
▲彰古館、これは大正時代の建造物
▲素鵞社(そがのやしろ)、スサノオノミコトを祀る
これらの社殿を巡っていると、出雲大社の本殿を後ろから見ることができるポイントにあたる。
▲青空に本殿がよく映えるな
本殿が一番よく見えるのは、地上からはおそらくここだろう。
巨大注連縄
出雲大社で忘れてはならないのが、境内の西にある「神楽殿」であろう。
駐車場に車を止めるとまず神楽殿が目に入るだろうが、電車やバスなどで通常の参道を通ると、神楽殿はおそらく最後になる。
▲大きな神楽殿
そんな神楽殿といえば、否応にも目に入るのが大きな縄。
▲あまりに巨大すぎる縄
この縄は「大注連縄」という。ちなみに注連縄の読み方は「しめ縄」である。漢字で書くとこうなるのだな。
このしめ縄は島根県飯南町で作られており、
出雲大社のまわりでは、結構あちこちで『この縄は飯南町が作ってますよ!』という広告が見られる。
長さは13メートル、重さ5.2トン。数年に一度付け替えられているという。
ここも出雲大社独自ルールの二礼四拍手一礼でお参り。
近くには一瞬の涼を感じさせてくれる「鏡の池」があった。
▲神楽殿近くの鏡の池
最後に太陽に照らされる拝殿の写真を載せて、出雲大社に別れを告げるとしよう。
▲これも天照大神の加護かな