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旅行記 ~ 出雲旅行 -トロッコと縁結びの旅- Day4 #10 島根最果て・美保関

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2022年8月3日~7日の出雲旅行、第10話です。
旅行に出かける皆さまに向けたメモとしても役立てば幸いです。
拙い文章ですがどうぞお楽しみください…。
※本旅行はマスクや消毒などの感染対策を十分に実施した上で敢行しています。
※執筆日:2022年8月18日

※前回(第9話:神の恋予知)はこちら
※各話にはPCでは左のサイドメニューから、スマホでは最後部のメニューからも飛べます

第10話:島根最果て・美保関

美保関へ往く

島根県の北側、モヒカン刈りをしたあとの髪の毛のような形をした島根半島。
南北こそ15㎞とさほど太くはないものの、東西が65㎞と結構な長さを誇る。
そして東の美保関(みほのせき)は交通の便があまりよくなく、自家用車で行くにも崖沿いのカーブの続く道を進まなければならない。
しかし美保関には日本海を望める絶景ポイントがあるし、美保関灯台という綺麗な灯台もあるから、是非とも寄っていきたい地でもあるのだ。

一畑バス 万原線 美保関バスターミナル行 : 松江駅10:45 → 美保関バスターミナル11:29 美保関コミュニティバス 美保関行 : 美保関バスターミナル11:40 → 美保神社入口12:08 今回はそんな島根最果てともいえる美保関に、公共交通機関を駆使して向かった。
美保関バスターミナル
▲美保関バスターミナル
松江からのルートとしては主に2択で、
一畑バスに乗って美保関ターミナルで降車し、乗り換えの便宜性が図られたコミュニティバスで美保関まで行くパターンが1つ。
もう1つは、これは夏限定であるが、松江から米子、境港とJR線を乗り継いで、境港から「ゑびすライナー」に乗って美保関まで行くパターンがもう1つ。
今回は前者を往路で、後者を復路で利用したが、実際探訪した結果でいうと、これは逆のほうがよい。
ゑびすライナーは1日3往復しかないため、こちらに照準を合わせたほうがよいというのが実直な感想だ。
美保関
▲美保関に到着、見えているのは乗ってきたコミュニティバス
そして長くなって申し訳ないが往路にゑびすライナーを使うべき理由がもう1つあって、
コミュニティバスは終点が美保関の港町となっており、美保関灯台まで行ってくれない
ゑびすライナーは美保関灯台まで行ってくれるので、こちらのほうが利便性としては断然高い
美保関の街と美保関灯台の間は、まぁ当然といえば当然だが上り坂となっており、歩くにしても灯台から下るほうがよい。
そういう理由から、ゑびすライナーのある夏は往路は境港からゑびすライナーに乗って灯台まで行って、
帰りは灯台から歩いて港町へ戻り、本数の潤沢なコミュニティバス+一畑バスを使って松江に帰還する、というのがよいと思うのだ。

美保神社ご参拝

さて、ざっくり美保関の話をしたところで、その遠き美保関までやってきたところ。
美保関は潮風の似合う田舎の漁村といった、ゲームによく出てくるような雰囲気の街であるが、
そんな田舎町にも割と有名な神社がある。「美保神社」(みほじんじゃ)だ。
美保神社
美保神社
▲美保神社入り口
この美保神社は、商売繁盛の神様として有名なえびす様(事代主神(ことしろぬしのかみ))を祀っている神社である。
さっきから幾度も出てきたゑびすライナーの由来はここからきているのだ。
そして美保神社の御祭神はもう1体あって、それが五穀豊穣その他諸々の神様、三穂津姫命(みほつひめのみこと)。
美保神社やこの美保関の「みほ」の由来になったとも言われているそうな。

1つ目の鳥居をくぐってすぐのところには、登録有形文化財の井戸「廻船御用水」がある。
廻船御用水
▲汲み上げるタイプの井戸
レバーを上げて下ろすと水が出るかんじで、こういうタイプは初めて触ったのでなかなか慣れない手つきであった。
手水舎は別途奥にあるが、私以外の参拝者はここでみんな手口を清めていった。まぁいっか?

美保神社は敷地こそさほど広い神社ではないが、大社造りの立派な神門、そして本殿・拝殿を構える。
美保神社 神門
▲本殿へ向かう参道
美保神社 神門
▲立派な神門。美保神社は神門にしめ縄がかかっている
しめ縄のかかった神門をくぐると、まず大きな拝殿が登場。
拝殿は少々特殊な構造で、壁がなく吹き抜けとなっており、梁もすべてむき出しなうえ、天井もないという。
先ほど紹介した2体の神様はどちらも音楽の神であるため、この拝殿で音楽が奉納されることもよくあるそうだ。
美保神社 拝殿
▲拝殿の中では神社の人たちが何やら作業をしていた
そんな拝殿の傍らには小さな狛犬も。
美保神社 拝殿
▲狛犬はここにも
拝殿左手にはお守りなどを売っている神饌所(しんせんじょ)がある。

拝殿が大きいので前からは本殿が見えづらいが、拝殿の脇を抜けると本殿を後ろから眺められる。
美保神社 本殿
▲青空に映える、2つの大社造り
写真でいうと右側に事代主神、左側に三穂津姫命を祀っているという。
2つの社殿は装束の間という空間でつながって、まるで1つの大きな社殿のようになっているのだそうだ。

潮の味、香り、潮騒

美保神社に参拝したところで、お昼ご飯を探しに街をうろうろする。まだこの日は朝から何も食べていないのであった。
しかしやはり本州の猛暑は体にこたえる。
道民だからかもしれないが、33度の炎天下の中青石畳通りを数分も歩くと、もうへなへなになってしまった。
青石畳通り
▲風情ある青石畳通り
結局美保神社すぐ近くの売店、「なかうら美保関売店」に入って涼むことにした。

中はお土産屋さんのようになっているが、入って右手では食品の販売スペースもある。
うどんなどの一般的なご飯もあったが、やはり目を引くのは「焼きいか」の4文字。
なかうら美保関売店
▲焼きいかの文字が躍るよう
焼きいかを注文後、海側の席へ荷物をおいて腰掛ける。
待つことわずか数分、美味そうな焼きいかが出来上がり、カウンターで受け取って再び自席へ。
なかうら美保関売店
▲美味そうな焼きいか
甘ダレが全体によく通っており、イカによく染みてうまくイカの臭みを消している。
そしてゲソもコリコリとした食感で食べ応え抜群だ。
いくらか忘れてしまったがとりあえず1000円以下だったはずなので、ここまで来たからには港町の名産を堪能してはどうだろうか。

会計ついでに灯台へ向かうためタクシーはないか聞いてみたところ、営業所が境港にあるためしばらく待たないと来ないという。
美保関ではタクシーという最後の手段すらも絶たれた、まさしく果ての地だということか。
wikiなどを見るとタクシーで5分などと書かれているが、『美保関にはタクシーはない』の解釈でよいと思う。
しかし上り坂とはいえ、美保関灯台までは2㎞程度の道のりである。
・・・・・・歩けるな。

灯台へは漁港をぐるっと回る形で東側へと続く一本道を、ただひたすら上っていく。
道中では美保関の漁港と街並みの様子を、少し遠いところから眺めることができた。
美保関
▲美保関、本当に静かな町だ
カーブをまわり美保関の港町が見えなくなると、いよいよ上り坂が始まる。
冷たいペットボトルを2本持ち歩き熱中症・脱水症状対策を万全にしつつ、なるべく日陰を歩きながら灯台を目指す。
しおかぜライン
しおかぜライン
▲道中は日本海の絶景が
この美保関灯台へ通じる県道2号線、俗に「しおかぜライン」と呼ばれている。
潮風を浴びながらの日本海・美保湾の絶景、名前負けしない素晴らしい道路だ。
交通量は多くなく、2台くらいに追い抜かれ、4~5台とすれ違ったくらい。徒歩でもそこまで危険でないのがよい。

しおかぜラインをしばらく歩いていると、「恵美須社」が左手に見える。
恵美須社
▲道中は日本海の絶景が
漢字が少し違うが、読み方の通り恵比須様を祀っている、ひっそりとした小さな神社だ。
これが見えるとあと少し・・・ではなく、残り半分といった具合である。灯台はまだまだ先。
恵美須社
▲ついに美保関灯台の駐車場へ到着。。。
美保関の港町から歩いて25分、だいぶ汗だくになった頃合いに大きな駐車場へと到着した。
この広々とした駐車場こそ美保関灯台の駐車場。
まだ秋には早いものの、蜻蛉がかなりの数飛び交っているのが印象的だった。

地蔵崎にたつ

駐車場までくると灯台はあと少しだが、この駐車場のすぐ近くにある展望台からも絶景を見ることができる。
地蔵崎」からの日本海だ。
地蔵崎
▲地蔵崎に立って絶景を見る
灯台のある岬・絶海の景色、広がるのは大きな青い空、そして広く青い海。
ここまで来るのにとても大変だったが、それをすべてチャラにしてくれるような、圧巻の1ページ。
地蔵崎
▲地蔵崎の案内看板
案内図が左手に見えると、美保関灯台もすぐそこ。
美保関灯台
▲塀の向こう側に灯台がある
美保関灯台
▲美保関灯台、ようやく目の前に
美保関の果て、地蔵崎に立つ真っ白な灯台、これが「美保関灯台」だ。
この灯台、実は日本の灯台50選に選ばれるだけでなく、世界の灯台100選にも選ばれた、歴史的・文化的にも非常に価値の高い灯台なのである。
内部に上ることは基本的にできないが、海の日は特別に内部公開もされるようだ。

灯台を一段降りた先には展望デッキがあり、日本海を間近に眺めることができる。
地蔵崎
▲眼前に迫る日本海、圧巻だ
展望デッキの脇には地之御前沖之御前を遥拝(ようはい)する鳥居が立っており、鳥居からは小さく沖之御前が見える。
※鳥居の先、中央に白く見えるのが沖之御前に立つ灯台(たぶん)。
地蔵崎
▲沖之御前がかろうじて見える・・・
沖之御前は少し離れた場所にあるため肉眼でもなかなか確認が難しいし、天気の問題もあるので、見えたらラッキーということで。

美保関灯台にはビュッフェが併設されている。これは旧官舎を改造したものなのだ。
私が訪れたときは休憩中となっており、14時半から再開だったのでそれまで地蔵崎をうろうろして待つことにした。
美保関灯台
▲ビュッフェに改造された官舎
日陰が少ないのでどこで待つかあっちこっちうろうろ。
ジョロウグモらしき足の長い蜘蛛がでしゃばるトイレの軒下にいたり、テラスのベンチで時が過ぎるのを待ったり。
あぁ、トイレの近くに自動販売機がいくつかあったので、飲み物に関してはそこで調達すればよい。
そんなかたちで時間を過ごしていると14時半になったので、ビュッフェにさっさと移動。
内部は期待していたほど涼しくはなかったが、日差しを直に受け続けるよりは圧倒的にマシだ。
美保関灯台
▲ケーキセットを購入、900円くらいだったはず
お上品なカフェでお上品なケーキセット、窓から見えるのは最高の日本海の景色。
いやーーー最高すぎる、、、最高すぎますわ。
美保関灯台
▲ごちそうさまでしたわ

ゑびすライナー 米子空港行 : 美保関灯台15:15 → 境港駅15:50 憩いのひと時を過ごしているとちょうどよい時間になったので、バス乗り場へ移動。
先にも触れたが、ゑびすライナーは1日3往復、松江ではなく境港のほうへと出ている。境港まで行くと料金は600円だ。
ゑびすライナー
▲ゑびすライナーバス停
みな自家用車で来ているから、ゑびすライナー用のバス停で待つ乗客は私1人のみであった。
ゑびすライナー
▲出発の7分前にバスがやってきた
この日はこのあと境港を経由してゲゲゲの鬼太郎の銅像を見て、
そして米子に行ったら停電の巻き添えを食らって、、、など詳細を書き出したら止まらないエピソードもあるが、
話として分割して書いても大した内容にならないので、触り程度にしておく。

第1話:出雲大社
第2話:神の浜
第3話:雨の中の奥出雲おろち・往路
第4話:雨の中の奥出雲おろち・復路
第5話:叶い石に願いを
第6話:黒き国宝
第7話:出雲サイクリング旅
第8話:玉造今昔物語
第9話:神の恋予知
第10話:島根最果て・美保関
第11話:彩れ!松江の空
第12話:青藍ノ海
他の旅行記はこちら