ブログ ~ 西日本周遊Day2 #3 猿飛と双爆の滝
maoP第3話:猿飛と双爆の滝
あらすじ
無事三段峡へ到着することができた我々。
今回は台風の影響で黒淵へは向かうことができず、少し遠くにある猿飛渡船と三段滝へ狙いを定める。
阿蘇、室蘭、黒岳と今年は様々な場所で山登りに挑んできたが、
果たして今回の山登りではどのような風景を見ることができただろうか・・・。
水梨口へ
三段峡には渡船が運行されている場所が2か所ある、「黒淵」と「猿飛」の2か所だ。
しかし今回は先にも触れた通り黒淵には訪れることができず、渡船に乗るには猿飛の一択となった。
色々な地名が出てきてごっちゃになってきたと思うので位置関係を整理したいが、
三段峡のアップ図をまず見てもらうのが手っ取り早い。
三段峡ホテルがあるのが赤いピンのところとなる。ここが三段峡入口にあたる。
ここからであれば黒淵に行くことができ、そのまま軽いハイキングをしていけば猿飛や、三段滝といった名所にも行くことができる。
しかし、世の中というのはなかなかうまくいかないもので、
夏の台風により三段峡入口から黒淵へ至るルートが通行止めとなってしまっていたのである。
そのため、三段峡の奥へ入るためには
ぐるっと迂回する約15㎞の緑のルートを通り、水梨口駐車場にて車を止めてからようやく、という具合であった。
▲三段峡ホテル近くの案内板
第1話かどこかでバスからレンタカーへの変更の出来事をつらつらと書いたが、
それは三段峡入り口から、この水梨口への移動手段が車か徒歩かしかないためである。
※シャトルバスが昔あったようだが、つい昨年廃止されてしまったようであった。かなしい。
あぁ、もちろん台風の影響による規制が解除された暁には、三段峡入口から黒淵、猿飛へ行くことができるだろうし、
旅行当日も、黒淵まで行かずとも途中の「女夫淵」までは行くことができた。
そんなわけで朝9時半ごろホテルを出発し、車を動かして水梨口へと向かう。
この水梨口への道のり、途中までは比較的広い道路を走るので問題ないのだが、
地図上でいえば黄色のライン、国道191号を外れ山に入ると、車1台通るのがやっとの道幅となる。
道路は切り立った崖に沿って造られているので、万が一でも踏み外してしまえば命は危うい。
ぎりぎりのところを身長に慎重に進み、それでも行きは対向車が来なかったので助かった。
とはいえ、車を運転したのは私ではないのだけれど。助手席にいてもそれだけの緊張感があったということだ。
▲水梨口駐車場に到着
猿飛渡船
渡船は実に天候との相性に左右される乗り物である。
ちょっと強く風が吹いていたり、前日に雨でも降って水位が上昇しようものならその日は欠航である。
だから本当に運要素が強い。
実際四万十のほうへ遊覧船を乗りに行った際は、当日の天気こそ快晴であったものの風が強く、また前日大雨だったため欠航となってしまった。
そんな渡船、三段峡ではホテルのほうで情報を聞き出すことができる。
当日現地に行ってみないとわからない・・・なんてことはなく、朝食の際などにホテルの従業員さんなどから情報を仕入れることができる。
・・・とはいえ、ここまできてしまっている以上、ホテルで乗れないという情報を聞いてしまうのもなかなか精神的にはつらいものであるが。
水梨口駐車場からしばらく進むと、三段滝との分岐点が現れる。
▲分岐点、最後にここに戻ってくる
私たちは先に猿飛へと向かったわけであるが、別に先に三段滝を訪れても問題ない。
道中の辛さも同じようなものなので、どっちを先に行っておいたほうがいいというのも個人的には特にないのでお好みでどうぞ。
▲道中は絶景スポットばかり
それにしても道中の景色は目を見張るものがある。
木々からはほとんど葉が落ちてしまっているので、ちょっと紅葉狩りには遅かったかもしれない。
▲倒木してる場所もあるので足元に注意
水梨口より40分程度、猿飛渡船乗り場に到着。
ちなみに乗り場直前の坂がめちゃくちゃ急なのでまじで注意したほうがよい、あれはやばい。
▲乗船場
猿飛渡船は1人往復500円で乗ることができる。この料金を入口で払う、つまり先払いである。
定員は15人程度であるが、紅葉の季節のような繁忙期では数分間隔で船を運航しているのでこのあたりはあまり気にしなくてよいかな。
(行きの船では動画を撮っていたのでここで出す写真は帰りのものとなる、予めご了承を。)
▲戻ってきた船
乗り場で船を待っていると、奥の渓谷から満員の客を乗せた船がのんびりと姿を見せた。
船はモーターなどがついているわけではなく、ロープを人が伝ってゆっくりゆっくりと進んでいくのである。
このような船は見たことがなく、「こういう運航の仕方もあるのだな」などと感心した。
乗船していた人が降車し、一通り確認した後私たちが乗船する番に。
私たちを含め10名ほどを乗せた船は静かに出発し、船頭さんの声と共にゆっくりと渓谷を進んでいく。
道中では船頭さんによる、この場所についてのうんちくを聞くことができる。
「猿飛」という名前は猿がここを飛び交うように移動するくらい険しいことに由来しているようだ。聞き間違ってたらすまん。
▲深い渓谷
▲一番深いところで8mの水深があるらしい
船の乗船時間はだいたい6~7分程度である。
途中で渡船と行き違いを行う。先にも書いたが、運航頻度はすさまじいものである。
▲船との行き違い
その後少しして、どこからか滝の爆音が聞こえてきた。
猿飛の渡船に乗ることでしか訪れることのできない秘境の中の滝、「二段滝」である。
桟橋に船が着岸し私たちが降りると、なんと二段滝で待っていたお客さんが、岩の足場で乗船を待っていた。
つまりこのタイミングでは、10人程度のお客さんの群れが、
乗船場で乗ろうとする組、乗船場で降りた組、二段滝で乗ろうとする組、二段滝で降りた組(私たち)
と計4か所にあるということである。なかなかうまい捌き方をしている。
と、まぁそれは一旦おいといて。
先程から響く爆音の正体にようやく眼を向けると、高さは4m程だろうが、至極勢いのある滝が目の前に現れる。
▲二段滝
▲全景
写真の通り、私たちが立つことのできる岩場までは少し距離があるのだが、それでも水しぶきがかかるくらいに勢いがある。
岩場は高さもあり様々な角度から眺めることができるので、足元に気を付けながら二段滝をじっくり観察してみるのも面白い。
5分程度の滞在時間を経て、再び客を乗せた船がやってくる。
▲二段滝からの乗船用桟橋
私たちと入れ違いになり二段滝を見に岩場を登るお客さんと対称的に、私たちは岩場を降りて船へと向かう。
短い時間だったけど実によい時間であった。マイナスイオンたっぷり。
帰りも引き続き同じようにロープを伝った人力一本の渡船で乗船場へ引き返す。
▲乗船場へ帰還
三段滝
さてさてここまででずいぶんと文章量が多くなってしまったが、三段峡ではもう1つ大きなメインイベントがある。
「三段滝」への探訪である。
猿飛の渡船に向かった道中を途中まで引き返し、三段滝方面へと登っていく。
整備されている道はいくつか分岐点があるが、都度看板が設置されているので道から外れない限り迷うことはないはず。
▲鬱蒼と茂る木々
道なりはあまり変わらないのだが、渡船とは違い人の数も半減し、山奥へ入っていくのだという気分にさせていく。
途中ではいくつもいい感じの景色が眺められるポイントがあり、
▲木陰から見える川
そして少しずつ滝の音も近づいてくる。
▲ふいに滝が
渡船から歩いて40分ほど、落石注意の看板が現れたかと思えば不意に真っ白な滝が目の前に現れた。
上流から一段、二段、三段・・・水が駆け下りてくる様はまさに三段滝である。
▲三段滝
▲果たしてどれくらいの水深を誇るか
流れ落ちた後は深い沢になっており、なんだか奥沢という地名が似合いそうなそんな雰囲気であった。
三段滝から先にも道があるように見えたが、ロープが張っており、行くことができない。
この先には「三ツ滝」や「聖湖」といったスポットがあるようであるが、それはまた別ルートで訪れる必要がありそうだ。
三段峡から東へ戻って急な坂道を降りると、先程の分岐点に帰ってくることができる。
三段滝から行ってもそのまま猿飛へ向かうことができ、そしてここに戻ってくるというわけだ。
三段峡の探訪にあたって重装備などは必要ないが、断崖絶壁がゆえ足を踏み外したら命が危うい場所も確かにあちこちに存在する。
気を緩めることなく、常に足場を気にしつつ絶景を楽しむようにしたい。