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ブログ ~ 飯田線の旅Day5 #11 いなり、うなぎ、一期一会

maoP

2021年7月31日~8月4日の飯田線の旅の5日目、第11話です。
旅行に出かける皆さまに向けたメモとしても役立てば幸いです。
拙い文章ですがどうぞお楽しみください…。
※執筆日:2021年8月19日

※第1話はこちら
※前話はこちら
※各話にはPCでは左のサイドメニューから、スマホでは最後部のメニューからも飛べます

第11話:いなり、うなぎ、一期一会

あらすじ

ついに旅行最終日。これまで諏訪、駒ケ根、長篠、湯谷、天竜峡と伊那路を飯田線で堪能しつくした我であったが、
飯田線は愛知県豊橋まで伸びている。
その豊橋近辺で最大の観光名所といえば、そう「豊川稲荷」である。
本旅行最後の目的地、豊川に向けて、そして帰りに向け惜しみながらも飯田を後にする。

一期一会

豊橋まで直接向かう列車は朝方にはなく、確かに昼頃には幾らか出ているのだが、
この時間帯はいくつか列車を乗り換えながら南を目指していくことになる。
その中途、中部天竜駅にて乗り換えが必要となった私は中部天竜駅にて一旦下車する。
1面2線のホームを降り踏切を渡って待合室に入ると、ベンチが縦並びに2つ、向かい合うように配置されていた。
待合室の風景は実に田舎の駅そのものだ。
蝉の声が響きわたり、待合室を吹き抜ける風がなんとも心地よい。
▲中部天竜駅の待合室

しかしのどかな雰囲気は少し変わり、飯田線の飯田から天竜峡の間にて車の事故が発生し、
豊橋行きの特急伊那路が遅れているとの掲示が出された。
私が出発した列車よりいくらか遅れていたら私は帰ることができなくなっていた、、いやはや実に危なっかしい路線である。
私は助かったが、伊那路に乗ろうとしていたいくらかの人が急遽予定を変更しなければならず、
ただ豊橋行きの普通列車は出るようなのでその便の振り替えを行う様子があった。

▲中部天竜駅舎
そんなこんなでもうしばらく待っていると、なんとも小綺麗なおばあさん、いや雰囲気的にはおばちゃんだろう――がやってきた。
「お近く、失礼しますね」
おばちゃんは私にそう一声かけると私の前のベンチに腰を下ろす。
そして目をくりくりさせながら私のエナメル鞄を見るに
「部活の人ですか?」
なるほど、中に着替えが入っていたり運動用具が入っているのだろうと勘ぐったのだろう。
だが残念、私がしがない旅行者であることを伝えると、
「あらぁ、そうなんですね」
なんとも笑みが可愛らしいものである。
どうやら自分と同じ、いわゆる同族であることを悟ったのだろう、
おばちゃんは懐からマスクを取り出し付けると、より話に火が付く。
「どこから来たの?東京?」
「いえ、北海道です」
「あらぁ、そんな遠いところから!」
どこから来たのかネタは道民にとっては格好の餌である。
北海道というだけで相手は驚いてくれる、そして北海道には沢山の名所があるからそれだけで話も弾む。メリットしかないw

列車がくるまでの間、おばちゃんは過去の旅行のお話をなんとも楽しそうに話してくれた。
琵琶湖でのおしゃれなディナー、富士山、フランス旅行の話まで。
私は他の人の旅行の話を聞くのも大好きなので、口からどんどんあふれ出てくる言葉1つ1つに反応を示して、相槌を打った。
「どこまで向かいますの?」
「豊川のほうまで、豊川稲荷を見ようと」
話は私の目的地の話になった。どうやらおばちゃん曰く豊川稲荷にはぐるっと回りこむと風情のある商店街があるらしい。
私は豊川で降りたことはないのでこの時の話は正直ようわからんかったものの、この後実際に訪れてなるほどな、などと思ったのである。
やはり実際にその場に足を踏み入れたものの話は聞くべきものであるな。

旅行には必ず出会いがあって、誰かと話す機会も結構ある。
それぞれの出会いは一瞬で、数時間もすれば別れてしまうものだけど、
それはまさに「一期一会」私はそんな出会いを大切にしていきたい。
▲待合室から豊橋方面を望む

豊川の街

さて旅行も最終盤。
おばちゃんは途中の駅で降り、列車はさらに山を駆け下りていく。
私自身長篠城よりさらに以西には初めて足を運び入れる。 新たな車窓が目の前に広がることにわくわくしていた。
豊川に到着する頃には立ち客だらけになり、先程までド田舎を走っていた列車とは思えないくらい車内は賑やかになった。
▲豊川駅

豊川駅であるが、なんとロッカーはJR駅側にはないようである。
名鉄豊川稲荷駅の近くには据え付けられているので、名鉄を使わないことに罪悪感を感じつつもありがたく使わせてもらう。
▲名鉄豊川稲荷駅のロッカー
今までそれなりに田舎の方にいたので涼しい気候であったが、
さすがにここは暑い。首にかけるタオルが一瞬で水浸しになる……
まぁそこまではいかないけれど、額や脇は汗で一瞬でべとべとになる。
水分補給は皆さん大事にして旅行しましょうネ。

さて時間も時間なので私は豊川でご飯にすることにするのだが、
まず商店街を進んでみると豊川稲荷がこんにちは。
▲豊川稲荷
歩いてものの5分程度である、実に近い。素晴らしい。
しかしまずは腹ごしらえが先決だ。
あたりを見回しつつ、豊川稲荷を左手に見ながら素通りしていくと、目の前に先程とはまた趣の違った商店街が現れる。
▲豊川いなり表参道
なるほど、駅前通を進み稲荷を見てぐるっと回りこむ…おばちゃんの言っていることそのままであった。
おばちゃんに感謝して商店街を歩くと、ちょっぴり豪華そうなお店に目を惹かれる。
この日の昼飯は「鰻 カドヤ」さんで頂くこととした。
▲「鰻 カドヤ」

欲張りセット

店内はものすごく風情のある、まさに和風といった雰囲気。

入るとお座敷がまず目に入る。広々としているが、普通の洋食屋のような席もしっかりある。
どうせなのでお座敷に入ることにしよう。(靴を脱ぐ必要がある)
50%くらいの埋まり具合だろうか、平日真昼間であることを考えればそれなりの入りだろう。
手指を消毒し、メニューをざっくばらんに眺める。うなぎやいなり寿司の文字が目立つ。
(メニュー表の写真を撮っていなかったのが悔やまれる。。。)
1700円程度の定食を頼み、待つこと20分程度。
定食名を忘れてしまったのだが、調べると恐らく、いや間違いなく「いなりうなぎランチ」。
▲さながら愛知全纏めセット
鰻+きしめん+田楽+いなり寿司の、まさに
「超欲張りセット」なのである! はちょっと量こそ少ないけれど、1700円でこれが食べられるのであればもう何も文句ないっ。
きしめんは歯ごたえ抜群、麺とスープの相性もばっちり。
特に辛いとかそんなこともない。
味噌田楽は私初めて食べたのだけれど、
しっかり本体(?)に味が通っていてそして柔らかい。
田楽自体は一説には平安時代からあり、近畿や九州、ここ三河の地など各所で様々な郷土料理として進化しているらしい。
ただ私の住む蝦夷地までには伝わってこなかったようで、恥ずかしながら初めて見る食べ物に、食べ物の色合いのごとく目を白黒させたものだ。
いなり寿司は3種類の味があると、持ってきていただいた際に説明下さった記憶がある。
写真を見る限りは鰻とエビ天の2種類なんだけれど、まぁ細かいことはいいや!
▲日本人形
これが旅行最後のごはんになったわけであるが、
とてつもなく美味しかった、ごちそうさまでした。
本場の味に舌鼓を打ち、これ以上ない満腹感に満足感、幸福感を得た私であったが、
お店を出た際に店員であろうおばあさんに来店頂いたことに大変に感謝を賜った。
行く先々で感謝を賜る。
別に欲しいために旅行してるわけじゃないけど、やはり心の安寧に繋がることは間違いあるまい。 ※ランチの紹介少なくてごめんね許して。

第1話:中山道を往く
第2話:大雨の木曽路
第3話:下の春と秋
第4話:眼前に広がるは
第5話:ソースカツ丼の誘惑
第6話:三河川合の失敗
第7話:長篠
第8話:湯谷の町
第9話:静寂の秘境駅
第10話:突き抜ける、飛行機雲
第11話:いなり、うなぎ、一期一会
第12話:豊川稲荷
第13話:飯田線回顧録
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