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ブログ ~ 飯田線の旅Day4 #9 静寂の秘境駅

maoP

2021年7月31日~8月4日の飯田線の旅の4日目、第9話です。
旅行に出かける皆さまに向けたメモとしても役立てば幸いです。
拙い文章ですがどうぞお楽しみください…。
※執筆日:2021年8月16日

※第1話はこちら
※前話はこちら
※各話にはPCでは左のサイドメニューから、スマホでは最後部のメニューからも飛べます

第9話:静寂の秘境駅

あらすじ

飯田線沿線の長野の旅もついに4日目、残すところ2日となった。
飯田線といえば外せないのが秘境駅巡りである。
今回はその中から私の探訪した「小和田駅」「為栗駅」の2か所をお送りしたいと思う。
※掲載している列車の時刻などは全て訪問当時のものです。将来的に変わる可能性があるので都度JR東海の時刻表等をご確認下さい。

小和田駅


鉄道ファンにとってはもはや小幌駅に続き伝説の聖地になりつつある小和田駅
見ての通り、
な~~~んにもない。 駅に通じる道がないのは秘境駅トップ勢に上り詰めるための必要条件であり同時に勲章でもある。
そんなわけで鉄道でしか訪れることのできない小和田駅だが、豊橋方面は1日8本、岡谷方面は1日9本と意外と本数はある。
但しもちろん2時間以上電車が来ない時間もあるから、時刻表とにらめっこしていい時間帯に訪れたい。
▲天竜峡に停車した列車
今回私は
天竜峡:9時14分発

小和田:10時11分着
の中部天竜行の列車で小和田駅に降り、
帰りは反対からやってくる
小和田:11時17分発

天竜峡:12時07分着
の天竜峡行の列車で天竜峡に戻るという行程を辿った。
で、帰りは天竜峡を観光しようという魂胆だ。無駄も隙もない、我ながら実に素晴らしいナ。
ちなみに行きの列車は飯田から直通していたので乗り通せた。天竜峡で乗りっぱなしのまま列車番号だけ化けた。

小和田駅に降り立つと、乗っていた人全員が降車したのではないかというレベルでわらわらと人が降りた。
人数にすればおよそ10人くらいだろうか、さすが人気の秘境駅
家族連れ、ご老人2人組、私と同じ1人旅の者・・・面々もさまざまである。
▲小和田駅名標
さて駅のホームであるが、私が訪れたときには別記事で見た3県モニュメントがなくなっていた
先程の地図を見るとわかるのであるが、
北に長野県、東に愛知県、そして小和田駅のある静岡県。この3県がすぐ近くで交わっているのである。
そんな場所だから県境が近くにあることを示す木製の看板があったのだが、、、
残念ながら2021年8月3日現在では撤去されているようであった。
ちなみに古い写真だと複線になっているものもあるが、当駅は既に棒線駅になっていた。

駅のホーム、天竜峡駅方面からはこのように天竜川を見ることができる。
ここからの景色はなかなかいいものである。
まずご挨拶代わりにこんにちは、といったところだろう。

柵に近づきすぎると蜘蛛の巣まみれになるので注意。

そして駅舎は水窪駅方面にある。
▲小和田駅舎
▲古い駅名標
▲駅舎入口(駅ホーム側から)
古びた駅舎であるが、観光用にある程度整備されているのだろう、廃屋という印象は受けない。
前情報が何もなければ田舎のおばちゃんが出入りしてそうな…いや、さすがに無理があるか。
▲古い写真(ちょっとピンぼけ、かなしい
駅舎の中には駅ノートが何冊も置かれており、
また、過去の栄光を語るかのように写真もいくつか立てかけられている。

▲駅舎入り口(外から)
さてなにもない小和田駅であるが、全く見るものがないかというとそうでもない。
駅舎を堪能して外に出て、坂を下ると建物をおそらく2つほど見ることができるハズ。

まずはこちら、「愛の椅子」なるものが置かれている小さな休憩所。
駅舎に結婚式の写真が飾られているのだが、それが行われたのがこの場所。
カップルなんかでこの場所を訪れる…物好きがいるかはわからないが、もし訪れたら座ってみるといいかも。
なおその先の幸せの保証は私は致しかねる、悪しからずっ。
そして階段を下った先にあるもう1つがこの製茶工場の廃屋
▲廃屋となった製茶工場
意外とまだ屋根なんかは原型を保っている。やはり人がそばを通るから自然に還るのは少し遅いのだろう。

▲道はさらに森の奥へ
製茶工場の脇を更に下っていくと、天竜川を近くで見られる、眺望の良いスポットがある。
蛇行の様子もしっかり観察することができる。
▲上流を望む
▲下流を望む
なお足場は悪くないが、草がくるぶしの上までかかるところもよくあるので、
マダニなどの心配がいらないよう長袖のズボンを着用することをお勧めする。
現に私以外の観光客は皆長袖であったので、
例え私のような道民が「暑いだろうし夏は半袖!」といって美脚を露出して来ることがないようにしたい。
それに真夏の昼といえとかなり涼しい。やはり都会の喧騒から離れるといいものだ。
なお私は運よくダニにかまれるなどの被害はなかった、よかったよかった。 ▲道はさらにあるが先には何もない

小和田駅に関してはだいたいこれで終わり。時間にして30分程度で全て見て回れると思う。
実際11時前になったら先程の乗客たちが皆駅に戻り、天竜峡行きの列車を待っていた。
▲駅舎の外にある三県境界駅の印
▲駅舎片隅に置かれる用具
なおこの時間帯にこの駅を訪れるといいことがもう1つあり、
10時55~56分頃に豊橋行きの特急伊那路が通過するというイベントがあるのだ。
列車はおそらく水窪駅で交換するだろうから、大幅に遅れて交換駅が天竜峡になるとかそういうことがなければ、
天竜峡行きの列車を待つ間に特急の通過を撮影することができる。
撮影の際は黄色い線の内側に下がって、安全に十分留意を。

待つこと20分、一緒に駅を探訪したご老人夫婦と会話が弾む中、11時17分、天竜峡行の普通列車がやってきた。
▲天竜峡行普通列車
天竜峡でのイベントは第10話に持ち越すとして、続いて同じく秘境駅ランキングの上位に入る「為栗駅」といこう。

為栗駅


小和田駅からは北へ数駅。
天竜峡からやってきた場合途中温田駅で多くの学生を下ろし、次に止まるのがこの為栗駅
駅に通じる道があることなども踏まえ少しばかり秘境駅としてのランクは落ちる。
ただそれでも駅前には何もなく、相も変わらず秘境駅たらしめていることもまた事実。

為栗駅に下車し、豊橋行の普通列車を見送る。

▲為栗駅名標
天竜峡でしばらく遊び歩いた後、天竜峡16時46分発の豊橋行に乗り、17時17分為栗駅着。
帰りは為栗17時56分発の岡谷行に乗り、飯田のホテルまで戻る算段である。

さてまず駅を降りて飛び込んでくるのはこの「天竜橋」。
▲立派な橋だが渡る人は皆無
川の名前を冠した大層な橋であるが、渡った先に何かあるかと言えば何もありゃしません
そして為栗駅には小和田駅のような立派な駅舎はなく、小さな待合室がぽつんとあるのみ。
▲カーブした駅ホームは味がある
橋の方に少し歩くとトンネルがすぐ歩いていけるような距離に。
侵入するのはもちろん不法侵入になるしなにより危険なのでこれが限界。
▲トンネル自体は短い
駅前は天竜川が悠々と流れており、夕日の時間になればこのように川を太陽が照り付ける。
雲がなければもっといい景色だっただろうけれど、まぁこれはこれで味があるかな?

人間の声1つ聞こえない静かな中、天竜川を眺めているだけでも心が洗われる。
私が訪れたのは夕刻で虫が多く活動する時間であったので、
耳元でぷーんぷーんされたくない人は虫よけスプレーがあるとよきです。

駅周辺をだらだら散策しているとあっという間に列車のくる時間に。
観光資源的な面で言えば小和田駅より数が少ないので比較的時間が余りがち。
ちなみにこの17時56分の列車を逃すと次の岡谷方面の列車は21時55分、実に4時間後。ご利用は計画的にw
▲岡谷行普通列車

第1話:中山道を往く
第2話:大雨の木曽路
第3話:下の春と秋
第4話:眼前に広がるは
第5話:ソースカツ丼の誘惑
第6話:三河川合の失敗
第7話:長篠
第8話:湯谷の町
第9話:静寂の秘境駅
第10話:突き抜ける、飛行機雲
第11話:いなり、うなぎ、一期一会
第12話:豊川稲荷
第13話:飯田線回顧録
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