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ブログ ~ 飯田線の旅Day4 #10 突き抜ける、飛行機雲

maoP

2021年7月31日~8月4日の飯田線の旅の4日目、第10話です。
旅行に出かける皆さまに向けたメモとしても役立てば幸いです。
拙い文章ですがどうぞお楽しみください…。
※執筆日:2021年8月17日

※第1話はこちら
※前話はこちら
※各話にはPCでは左のサイドメニューから、スマホでは最後部のメニューからも飛べます

第10話:突き抜ける、飛行機雲

あらすじ

今回の飯田線の旅のメインイベントである天竜川ライン下り。
これまで散々天候に振り回されてきた我であったが、ここにきて超快晴の予報。
やはり日ごろの行いというものを神様は見ておられるのだろう、そう思わざるを得なかった。
小和田駅からの帰り、天竜峡駅で降り、人生初体験のライン下りへ、いざ!

この世で一番旨いもの

見事な青空が広がる天竜峡駅
▲天竜峡駅舎
▲天竜峡駅のホーム
晴天、まさに快晴。素晴らしい。
流石に昼下がりというだけあって太陽は真上、直射日光がガンガン照り付け気温もグングン上昇。
タオルを首からかけて汗に対抗する。

天竜峡駅近くのお店「辻本屋」でご飯を頂戴する。

▲「辻本屋飲食店」
天竜峡駅からほど近い場所にあるので、ライン下りに訪れた際はお食事処としてお勧め。
Googleの口コミは評価が微妙だけど私は特に悪い印象は受けませんでした。
頼んだのは信州おそば、そして鮎の塩焼き
私は鮎の塩焼きが大好きで大好きでたまらなくて、この世で一番旨いものであると思っている。

食べた瞬間「さくっ」という歯ごたえとともに、
川魚のさっぱりした味わいが広がって、
そして塩がアクセントにきいて口の中七変化!
日光の華厳の滝でも川魚の塩焼きは食べたけれど、いやぁ・・・
どこに行っても川魚はうめぇや!

龍角峯

さて早速ライン下り…と行きたいところだが、生憎とまだ時間がある。
船の出港時間は予め決まっているので(後述)、それまでは天竜峡駅周辺をゆるりと楽しむとしよう。
※ライン下り本編だけを見たい場合は目次から飛んでください。

まずは駅前、天竜川/天竜峡を一望できるスポット!
▲名勝・天竜峡
駅を降りて踏切を渡ると真っ先に飛び込んでくるであろう小さな広場から、
このようにゆったりと流れる天竜川を眺めることができる。
まぁゆったりとはいえど川に角度がついており間近で見ると意外と流れは早かったりする。
写真の中央右手、階段部分になっているところが今回の天竜ライン下りの乗り場である。

そして同じく駅前間近にあるのが「姑射橋」という橋。
▲「姑射橋」
左手の橋にも一応歩道らしきものはあるが、車が結構な頻度で行き交うので、川を渡る際はこちらの橋を渡るのがよい。
そしてこの橋からも天竜川が見えるが、
▲天竜川、下流を望む
先程とは打って変わって一気に峡谷の様相を呈する。
北側は広めの川幅、南側は峡谷、この差を一度に楽しめるのもまた天竜峡ならではだろう。
これに加わり季節ごとの景観もあるっていうんだから天竜峡は何度でも楽しめるというわけ。
▲橋には龍のマンホール

先程の辻本屋の脇の道を通り少し奥に入っていくと、
天竜峡の景勝の1つ、「龍角峯」(りゅうかくほう)が現れる。
▲「龍角峯」
▲展望台がある
崖から突き出た真っ白な岩、迫力満点だが、実は川下りからでも見ることができる。
右岸に小さな展望台が用意されており、この龍角峯を葉などの障害物がない状態で眺めることもできる。
そしてさらに奥へ進むと現れるのが「つつじ橋」。
▲「つつじ橋」
但し風がある日は吊橋はめちゃめちゃ揺れるので私のような高所恐怖症の人は注意が必要。
橋を渡り始めることもできなかった私を許して←

天竜ライン下りの注意点

さて時間が迫ってきたところで、天竜ライン下りの時間である。
※公式サイトはこちら
▲乗船券発売所
まず乗船前の注意事項として

1.似たような会社があるようなので間違えないように
2.基本的に予約すべし
3.出港時間は決まっている
4.救命胴衣の着用
5.肩掛け鞄くらいなら持っていける
6.船はほとんど揺れない
7.帰りはマイクロバスで戻ってこれる

ざっとこのようなところだろう。
上から順番にざっくり解説していくと、
1.似たような会社があるようなので間違えないように どうやら近くに同じくライン下りを行っている会社があるようなので間違えないようにしてほしいと予約時言われた。
但し天竜峡駅近くには別会社の乗り場は見当たらなかったので、降りる駅を間違えなければ大丈夫だろう。 2.基本的に予約すべし ホームページ或いは電話からの予約をしておくのがおすすめ。
当日に券を買うこともできるが、満杯の場合は予約している人が優先になるので予約しておいて損はない。
ホームページは1週間前に締めてしまうみたいだが、電話であれば数日前でも大丈夫そう。
私は前日に電話で予約したら無事取れた。人が少ない時期であればそう急がずとも大丈夫なようだ。 3.出港時間は決まっている 公式サイトを見て頂けるとわかるが、出港時間が決まっている。
14時10分発以外の船は冬の季節は出ていないので注意。この時間の便で旅程を組むのが一番間違いがないだろう。
また出港時間の15分前には待合室で待機する必要がある。
ちなみに船旅は10km、1時間弱。料金は3200円である。 4.救命胴衣の着用 これはまぁもちのろん、万が一に備えて救命胴衣着用は必須となる。
救命胴衣はそこまでかさばらず重たいこともないので、別に不便なことは何一つない。
救命胴衣の着用方法も教えてもらえるし、もしわからなければ添乗員のおばちゃんなんかがいるのでお願いしてしまおう。 ▲大量の救命胴衣
5.肩掛け鞄くらいなら持っていける 大きな鞄は船のバランス的に難しいだろうが、肩掛け鞄くらいであれば普通に持って入れる。
船内ではバランスを考えて着席場所が決まるので三脚などを立てることは不可だが、
スマホのカメラや手持ちカメラ程度であれば特に不自由はない。 6.船はほとんど揺れない 小さな船で川下りという点から揺れることを心配するかもしれないが、
少なくとも私が乗船した際はまったく、まじでまったく揺れなかった
船にそこまで強いわけでもなく、
先程のつつじ橋を渡り始めることすらできない人ですら何の問題もなかったから恐らく大多数の人は無問題であろう。 7.帰りはマイクロバスで戻ってこれる 船は唐笠港という天竜峡駅近くの乗り場からはちょっと離れた場所が終点となるが、
ライン下りをした客用にマイクロバスが待機してくれている。
マイクロバスは最初の乗船券発売所まで戻ってくれるので非常に便利。感謝。
ちなみに飯田線の唐笠駅もすぐ近くにあるので、バスがだめだとか豊橋行に乗りたいとか別事情がある場合は先に申し伝えておくとよい。
▲静かに佇む唐笠駅

ざっとこんなかんじ。おそらくライン下りをよくする人とかにとっては基本中の基本になるだろうけれど、
万が一私のように「完全に初めてです!」の人がいたならば是非参考にしてほしい。
▲待合室から乗り場へ
▲乗り場にで出港時間を待つ
この場所から眺める天竜川は流れが荒く、結構怖い印象があるのだが、
実際ちょっと下流に進めば流れは一気に穏やかになり、一切の波しぶきも立たないような静かな川になる。

天竜ライン下り

さぁお待ちかね、ライン下りの時間だぁ!
▲ついに出港のお時間
船は40~50人程度まで乗ることができる、実にしっかりした船であった。
写真で見るとどうも心もとなかったけれども、これであればお座敷船が出るというのも実に納得である。
船は上流方向が先頭となり、180度向きを変えて下流を目指す。
早速地上で渡ったアーチの下をくぐっていく。
▲「姑射橋」の下をくぐる
川下りが始まってものの数分、続々といい眺めが目に飛び込んでくる。
左手には旅館、
▲「龍峡亭」
右手にも旅館!
▲「渓谷に佇む隠れ宿 峡泉」
この旅館から川下りの船を眺めることがあったら、それはまた実に雅な風景となるに違いない。
そして先程地上から眺めた龍角峯、つつじ橋を今度は船上から見上げる。
▲「龍角峯」「つつじ橋」
実は龍角峯には文字が彫られているのだそう。見つけられたら視力がいい人認定。

船を滑らせて数分、早速船頭さんによるイベントが行われる。
そう、網を使っての川魚の漁である。
▲漁網を用意する
但し私が赴いた日のように暑い日は魚は涼しさを求めて川底に逃げてしまうらしく・・・
チャンスは2度あるものの、2回とも魚は残念ながら0匹であった(悲
▲魚は0
但しこの網の広げ方、捌き方は実に美しく、手さばきは実に職人技である。
魚がいようがいまいが関係なしに、これは是非見に来るべきだろう。
ちなみに魚が取れると、川に現れる鵜に魚をあげる様子が見られるという。
実際午前中の便では魚を取ることができ、鵜にあげる様子を観光客に見せることができたという。
こればっかりは運であるな。

船は続々と橋を渡っていく。
列車が通ればまたいい情景になるのだが、14時10分発の便では残念ながら列車の姿を見ることはできない。
▲飯田線
▲天竜峡大橋
橋を渡ると飯田線千代駅が近くにあるのだが、船からはその様子を確認することはできない。
道中ではお花の紹介や現れる動物の紹介があり、
そして遥か真上の枝にビニールがかかった様子から「氾濫したときの様子」まで伺い知ることができる。
こんなに穏やかな川なのに…忘れた頃に自然というのは畏怖を抱かせる。
そんなこんなで出港から10分程度、川下り第二のイベント、水しぶき体験(?)が発生。
▲白いところが川底が浅いところ
このように浅瀬になっているところに船を近づけて、水しぶき…もといマイナスイオンを体感してもらおうというイベント。
右手側は始まって10分程度、左手側もその先しばらくしたらしぶきのタイミングがやってくるので、
これはどちらに座っていても無事体験することができるだろう。

そのあとはしばらくのんびりと航行を続ける。
途中鵜を追いかけたり、川岸にちょっと近づいてみたり、木陰に入ってみたり。
船旅も丁度中間点に差し掛かったころ、最後のイベントが発生する。
▲缶ジュースが置かれる商売船
それがこの飲み物の購入である。
え、どういうこと、っていう話だが何も難しいことはない。船に積まれている飲み物をその場で買うことができるというものである。
いわば、「昔ながらの体験」の一環である。
昔天竜川では多くの船が行き交っていたのだけれども、その中にはもちろん積み荷を積んだ船もあった。
そんな船での商売の様子をここで現代によみがえらせたというわけ。とらでぃしょなるを感じるな。
▲信州のりんごを使ったジュース
信州のリンゴジュースは1缶300円…だったはず。200円だったかな?
普通に考えたら圧倒的にお高いけれども、旅行先では一切お金への躊躇はしないのが私流。
こういうところで呑む飲み物ってのがまた最高なんだよなぁ!

最後の蛇行を迎えて「長瀞橋」が前に見えてくると川下りもラストスパート。
添乗員さんの美声の歌声、「天竜下れば」が天竜川に響き渡るころ、
青空に浮かぶ真っ白な夏雲もまた、天竜峡にやってきた私たちに一つの夏の思い出をポケットに忍ばせる。
▲龍の体のような雲
▲突き抜ける飛行機雲

最後は船頭さんと添乗員さんを見送って、1時間弱の船旅はおしまい。
▲船は天竜峡に戻る
▲猫ちゃんのお出迎え
天竜ライン下り。
すごくあっという間だったけど、圧倒的な充足感。
心が満たされるとはまさにこのことをいうのだろう。
きっとまた別の季節に訪れたら全く別の景色が広がるに違いない。
そうだな、今度はあえて冬に訪れてみたいな。

第1話:中山道を往く
第2話:大雨の木曽路
第3話:下の春と秋
第4話:眼前に広がるは
第5話:ソースカツ丼の誘惑
第6話:三河川合の失敗
第7話:長篠
第8話:湯谷の町
第9話:静寂の秘境駅
第10話:突き抜ける、飛行機雲
第11話:いなり、うなぎ、一期一会
第12話:豊川稲荷
第13話:飯田線回顧録
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