旅行記 ~ 5年ぶりの函館編Day2 #11 大沼の冒険・前編
maoP第11話:大沼の冒険・前編
藤城支線を駆け上がる
ここまでの10話(実質8話?)で函館の満喫模様をだらだらと書いてきたが、今回はここで函館を離れることにする。
今回の旅行の最後の目的地は、国定公園にも指定されている「大沼」。
なぜかといわれると特に理由はないのだが。。。
なんとなく行きたいので行く、まぁ私の旅行は基本そういう旅行である。
JR函館本線普通 長万部行:函館駅12:35 → 大沼公園駅13:14
五稜郭探訪の後ラッキーピエロでバーガーを堪能し、函館駅に舞い戻る。(ラッキーピエロについては8話にて)
特急に乗ってもよかったが、ちょうどいい時間に大沼公園を経由する普通列車があったので、
今回はこれでのんびり大沼に向かうことにする。
▲長万部行の普通列車
▲向こう側のホームには道南いさりび鉄道の列車が
列車はボックス席が全て埋まる程度には客を乗せ、定刻通り函館駅を出発した。
列車は七飯駅までは函館の郊外をそれなりの速度で駆けていく。
しかしこの列車が違うところは、新幹線の駅である新函館北斗駅を経由しない、
いわゆる「藤城支線」を経由して北上する珍しいタイプの列車なのである。
▲七飯駅を出発するとエンジンを唸らせ坂を駆け上がる
函館本線は森駅と函館駅の間は8の字を描くような線形になっており、二手に分かれる場所が2つある。
そのうち函館側にある小さな円は、左側を通ると新函館北斗駅、仁山駅を経由して大沼駅に至る。
右側は1つも駅がなく、七飯の市街地を高架橋で通過して大沼駅に至る。
この右側を通るルートのことを「藤城支線」と呼ぶのだ。
▲ものの10秒でかなりの高さに
新幹線駅があるルートを経由するため特急北斗は藤城支線は通らないし、
新函館北斗駅が終着のはこだてライナーももちろん藤城支線は完全にスルーされる。
ディーゼルの普通列車も半数以上は新幹線駅のある方を通るため、こちら側を通るのは日に数本しかないのだ。
来たれり、大沼
そんなちょっとレアな列車に乗り込んで下車した大沼公園駅。
1面1線の小さな駅。しかし特急北斗も止まるので、似つかわしくない長いホームを備えていた。
▲大沼公園駅に到着
旅の記録に駅舎もぱしゃり。雪国らしい三角屋根の、小さな駅舎である。
▲大沼公園駅駅舎
特急停車駅ということで大沼公園駅では駅員さんが常駐している。
列車がやってきたときには、女性の駅員さんがわざわざホームまで出て切符を回収していた。
駅前に案内板があったので早速拝見。
色々下調べをしても結局案内板で「あっ、ここよさそう!」といって旅程を変更する性質なので、
ざっくりとは調べてくるものの、なんだかんだ現地の情報が新鮮なので頼るのは当日得た情報なのだ。
▲観光客用に案内板が各所に立てられていた
1枚目が中心部、2枚目が広域地図になっている。
広域のほうは時間があればサイクリングで大沼1周なんてこともできるが、
今回は帰りの特急列車の都合上、並ぶ自転車を横目にしぶしぶ諦めた。
さて本題の大沼中心部であるが、大沼公園では幾らかの散策ルートが整備されているようであった。
今回は青色のルート「島巡りの路」を使って、大沼公園をぐるっと回ってくるルートを選択。
眼前には大沼の雄大な自然。
▲大沼国定公園
月並みな言葉ではあるが、心を綺麗に洗い流してくれるようだ。
睡蓮と島巡り
「島巡りの路」ルートは1周の平均所要時間が約60分と、それなりに時間がかかる。
とはいえ大沼自転車周回は約90分、それ以外のルートは20~30分程度となっているので、
私のように2時間程度の時間をとっているならば島巡りがちょうどよいと思われる。
▲後楽橋
島を巡るためには、橋をいくらか渡っていく形となる。
橋にも色々な種類があり、上記の後楽橋のようにただ架かっているだけの橋もあれば、
▲浮島橋は階段の傾斜が結構きつい
こちらの浮島橋のようにアーチの形をした橋もある。
これを外から眺められれば、大沼の大自然とアーチ橋で面白い1枚になるのだが、
島々は木々に覆われているところが多くあり、なかなか橋の全景を眺められる場所に巡り合えない。
▲遠くに浮島橋が見える
木陰に隠れた橋も、ままいいものではあるが。
なんてことを思いつつ、小さな島々を軽い足取りで巡っていく。
▲まさしく湿地帯、という様の大沼公園
道中は小さな花や木々に「品種」を示す板が立てかけられていた。
そしてそれを覗き込むように見入る、リュックを背負った若い女性の姿もよく見られた。
なるほど、確かにこういう場所にくるのならば、花や木々の種類に対して知見を得ておくのも悪くない。
そんなかんじで沢山の植物がみられる大沼だが、特段よく見られるのが「睡蓮」である。
▲睡蓮の花
蓮の葉が浮かぶ中ぽつぽつと白い花が水上に浮いていた。
大沼の睡蓮は6月下旬ごろから咲き始めるということで、ちょうど咲き始めの時期に当たったというところだろう。
少し森深いところでは、一面に蓮の葉が浮かぶような、睡蓮の群生地も見られる。
▲たくさんの蓮の葉が浮かぶ
最盛期には圧巻の睡蓮の花々が見られるに違いない。
前編最後は今回の島巡りで一番の写真はこれかなー、という1枚を載せて後編に託す。
▲大沼の様々な要素を取り入れられた
島から島を見る光景。その島々をつなぐアーチ状の白い橋(湖月橋)。そして直下に浮かぶ睡蓮と蓮の葉。
『大沼の島巡りといえば?』という要素をいくつも入れることができた、そんな1枚ではないだろうか。