ブログ ~ 層雲峡旅行Day2 #6 登山初心者が黒岳に登る~後編~
maoP第6話:登山初心者が黒岳に登る~後編~
あらすじ
黒岳への登山で無事山頂へと登り詰めた我。
体力的には並みの成人以下であるものの、その達成感により体力は一気に回復。
しかし登りより恐ろしい「下山」の苦しみというものを、まだこの時の我は知らないのであった。
下山こそ最大の試練
下山って下りるだけでしょって思う方も多いと思う。実際私もそうであった。
▲一段一段が高い
登り切るまでが大変で、登り切ってしまえばもうあとは楽な行程であると・・・しかし現実はそうではない。
第5話を見て頂いた方ならわかると思うが、一段一段にかなりの落差がある。加えて足場も非常に悪い。
登る分には足には重力の影響はそこまでなく、どちらかというと汗を多くかくだけであるのだが、
下る際は汗はあまりかかないものの、足にかなりの負荷負担がかかる。
低いところからジャンプして下りるのと高いところからジャンプして下りるのとでは足への負担が大きく違うだろう、そういうことだ。
おまけに負荷のかかる足は、これまで1時間以上も登山に使ってきた足である。えぐいな。
▲高低差を感じられるだろうか
下りは基本ぴょんぴょんと飛び跳ねるように勢いのまま進むと割と恐怖感なく下りることができる。
しかし足場の悪いところは岩に腰かけるように、慎重に慎重に進む。
▲岩がむき出しに
登りと違って、足場が崩れてしまうと、体が前かがみになっている分頭から落ちてしまう危険性が高いからだ。
頭から落ちて岩にぶつけてしまえばもう走馬灯の時間。笑いごとじゃぁないネ。
登りでは撮影し損ねた八合目の看板を撮影し、岩山地帯の八合目→七合目に差し掛かる。
▲八合目
むき出しの岩々が露骨に行く手を阻む。登りより下りの方がより足場の悪さが気になる。
▲真っ赤な葉
道中の紅葉は相も変わらず綺麗であるが、正直あまり景色を気にしている余裕がなかった。
そして相も変わらず悪い足場、泥沼。山小屋に到着した頃には履いていた靴は泥ハネで薄汚くなってしまっていた。
▲泥ハネ靴、家に帰ったらしっかり洗おう
ちなみに下山にかかった時間も1時間。下山も簡単ではないのだ。
初登山で持って行ったものと足りなかったもの
さてここでは私が実際に黒岳登山に持って行ったもの、そして持っていけばよかったものを紹介してみようと思う。
まず私が持って行ったものを列記するとこんな感じ。
・600mlペットボトル×3
・食べ物(パン)
・厚手のジャンパー
・簡易携帯トイレ
・モバイルバッテリー
鞄
登山の鞄といえばリュックが主流だけれども、別にリュックでなければいけないということは何らない。
使い古した学生時代のエナメル鞄でも入山すること自体に問題はない。
私は長年肩掛け鞄を右肩にかけ続けたせいでリュックを使えない左肩になってしまったのでエナメル鞄で登山した。
600mlペットボトル×3
これはつまり普通のコンビニで買えるような小さなペットボトルということである。
やはり水やお茶、ポカリスエットなどが王道であろう。実質運動なのでアクエリアスなどの糖分を十分補給できるものが望ましい。
そして2Lの大きなペットボトルでも問題ないといえば問題ないが、開封してそのままがぶ飲みできるよう
500mlや600mlのペットボトルがベストであることはまぁそらそうだというところ。
本数は2本だと正直足りないと思ったので3本買っていった。結果的には1.5本を飲んだ形になったが、
足りないより余る方が当然よい。脱水症状や熱中症はなんとしても避けなければならないのだ。
食べ物(パン)
食べ物というか、炭水化物が望ましい。
そういう面ではおにぎりなどのお米類がベストだろう、私はコンビニで買ったスティックパンを持って行ったが。
厚手のジャンパー
前話でも触れたが、登山中は汗だくになっても頂上はかなり寒い。
頂上に登って数秒で降りるような人でも、帰り道のことを考えるとやはり厚手のものは用意しておくのがよいと思う。
簡易携帯トイレ
登山道や頂上にはトイレがない。少なくとも黒岳にはなかった。
数時間トイレのない状況下に加え大量の水分を補給する状況では緊急用に持っておくことは必須。
登山道に放尿脱糞するなどマナー違反行為をしないよう、近くのコンビニや通販などで予め取り寄せておくべし。
モバイルバッテリー
今の世の中何かあったときに頼りになるのは携帯電話である。
しかし携帯の充電も有限であるし、登山中は何かとカメラを起動したりしてそれなりに充電を食ってしまいがち。
携帯のみではあまりに心もとないのでモバイルバッテリーを持って行った。太陽光での充電式だと尚更良い。
▲同じく七合目から行ける「あまりょうの滝」
そして持っていけばよかったものは以下である。
・軍手
・湿布
ストック
スキーで使うまさにあれ。単純に杖替わりになる。
これがあったほうがよかったなーと思う瞬間が多々あった。登る前はなかなか使う場面が想像できないが、
実際登ったあとの感想としては、ストックを足掛かりの1つとして登ったり下りたりすることで非常に楽になったであろうと思う。
軍手
岩山を登るようなところもあり、逆に急な崖のような場所を降りるようなところもあり。
ということは足だけで下りるには限界がある場所もある。
手を使って岩を伝って下りたりなんてことも普通にあるが、やはりそういうときに軍手があると躊躇することなくスムーズに行けただろうな等と思う。
湿布
私のような初心者にとっては登山は不慣れであることは間違いない。
体には普段からは考えられない負担をかけることになるので、それを和らげる手段を持っておくとよいと感じた。
ついでに、他の登山ブログに書かれているような必需品も書いておくことにしよう。
私は今回は持っていかなかったし不要であったけど、より難しい登山に挑むならば必須になるであろうものたち。
・コンパス
・カイロなどのより一層の防寒対策
・より多めの非常食
・かっぱ(傘を差すほど道幅も視界も余裕はない)
初登山を振り返りつつ
というわけで無事に初登山、下山まで終えることができた。
黒岳は確かに初心者が登山に手を伸ばすには最適な山だと思う。
ガチの登山家にとっては全く物足りないところがあるやもしれない、それくらい。
道中は小中学生を連れた親子連れはもちろん、小さな赤ちゃんと一緒にゆっくりのんびり登る親子連れも見られた。
そんな中まだまだ体力有り余るであろう青年がひーひー言ってるのも実にみっともないというか……w
帰りは帰りで行きとはまた違った風景を見ながら下りることができる。
▲遠くの山々を見ながらリフトは降下
▲帰りも紅葉は綺麗
登山で一苦労した後に見る紅葉もまた格別に綺麗なものだ。
そしてロープウェイの黒岳駅(五合目)にはレストランも併設されている。
登山を終えてペアリフトで戻ってきたらレストランで改めて腹ごしらえするのもいいだろう。
▲山菜そばを注文
最後はロープウェイで来た道を戻り、ふもとに帰還。
▲青空も帰ってきた
空は再び青空が戻っていた。やはり山の天気は変わりやすい、注意すべし。
あの空間は実に快適というか、ストレスが全くない。
お互いに励ましあい、気さくに挨拶を交わせる、人間味溢れる素晴らしい場所。
登山、いいじゃんっ。
また登りたい、あの達成感を味わいたい、そういう気持ちにさせるものであった。
但し油断だけは大敵。慣れてきたときにこそもう一度自分でこのブログを見直して、気を引き締めたいと思う。