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旅行記 ~ 冬の関西編 Day1 #2 潮風と供養人形

maoP

2022年~2023年冬の関西旅行編です。
旅行に出かける皆さまに向けたメモとしても役立てば幸いです。
拙い文章ですがどうぞお楽しみください…。
※執筆日:2023年1月23日

※前回(第1話:紀州口の城)はこちら
※各話にはPCでは左のサイドメニューから、スマホでは最後部のメニューからも飛べます

第2話:潮風と供養人形

ぶらくり丁ぶらぶら

和歌山城をあとにし、ちょうどお昼時だったためお昼ご飯にありつこうと街をぶらぶらする。
特に行く当てはないが、こういうのはふとした瞬間に出会うお店の暖簾をくぐるのがまた乙なものなのだ。
市堀川
▲街の中心を流れる市堀川
市堀川を渡り、募金活動に駆り出される野球部の群れを左手に見つつ歩くと、
どうやら商店街らしき場所にたどり着いた。ぶらくり丁なる商店街である。
ぶらくり丁
▲ぶらくり丁
私は札幌市民なので商店街というと狸小路がやはり印象的で、
それと対比させたとき、あまりの人影のなさにかなり驚いたのが、正直な感想である。
というか、道路側に面した一番最初に見えるお店が既にシャッターを下ろしてしまっている点であまり見栄えはよくない。。。
県庁所在地でこれなのだから、地方都市の衰退というのはかなり深刻だというところだろう。

さて、そんなぶらくり丁を散策していいお店がないか探してみるも、選択肢があまりにない。
ほとんどのお店が閉まっており、どっちにしようかなぁと迷うまでもなく、北側への一方通行の道路に面した定食屋さんを頼ることにした。
あじの定食
▲呑気屋 あじふくさんでランチ
お世話になったのは「呑気屋 あじふく」というお店、あじが美味いらしいのでそのあじの定食を頼む。
さくさくの衣、冷えた体に効果抜群の暖かいご飯にお味噌汁。んーー最高だ。
そして驚くべきは、これでなんと700円という外食にしてはお手頃価格である。素晴らしい。

加太へ往く

すっかりお腹もいっぱい、満足感もいっぱいとなったところで、次の目的地へ。
和歌山市街の南のほうにある紀州東照宮も気になったが、今回は北側へ進路を取り、加太を目指す。
和歌山市駅
▲加太駅行の電車を待つ
南海電車の加太線を乗り通しておきたいという乗り鉄な一面もあり、
そして淡嶋神社という面白い神社があることを確認したのでそちらも見てみたいという一面もあり、
南海の和歌山市駅から加太駅を目指すことにした。
和歌山市駅
▲端っこに用意されたスペースで待つJRの電車
和歌山市駅は基本南海電鉄の駅だが、一番端っこにちょこんとだけJR線用のスペースが用意されている。
2両編成の緑色の帯の電車が肩身狭そうにしているのが印象的だった。

加太行の電車はロングシートだったため景色はほぼ撮れず・・・というか電車内で爆睡してしまい道中の記憶がさっぱり。
気づけば加太駅に到着していた。
加太駅
▲加太駅に到着
加太駅は終着駅ということでこの先には線路はなく、2両編成の小さな電車は約10分後に折り返して再び和歌山市駅を目指す。
駅自体は素朴な田舎町の駅舎という風情で、やはり小さな駐車場からは、青とオレンジ帯の電車が次の運行に向けてスタンバイしているのが見えた。
加太駅
▲往復し続ける加太線の電車
加太駅
▲加太駅

当の加太の町も本当にのんびりとした長閑な港町という雰囲気である。
加太港
▲加太の港を眺めてみる
お昼なのでもう漁船は戻ってきておりしばしの休憩といった具合であるが、それがまた長閑さを増幅させる。
加太
▲小さな路地を進み淡嶋神社を目指す
通りは幹線道路以外はほとんど車は通らず、たまに淡嶋神社に向けてだろうか、タクシーが通過するくらい。
道が若干入り組んでいて幾度か迷ってしまったが、まぁ雰囲気を楽しめたのでヨシ。

淡嶋神社

この日は海から吹き付ける冬の冷たい風がかなり強かった。
雪がないから数百倍マシだが、それでも冬の冷たい風は体にダメージを蓄積していくものである。
そんな道のりを加太駅から歩くこと20分程度、不意に真っ赤な鳥居が左手前方に見えてきた。
淡嶋神社
▲淡嶋神社に到着
なるほど、これが淡嶋神社であるか。
表向きは普通の神社で、参道の脇では小さなお土産屋さんが商品を陳列していた。

潮風が吹き付ける参道を進み直角に右に90度曲がると、本殿がおいでまし。
淡嶋神社
▲こちらが本殿
そしてその両脇、何やら無数の黒い影が見える。
そう、これがこの神社における最大のポイント、供養された人形たちである。
淡嶋神社
▲日本人形が並ぶ本殿
淡嶋神社では使われなくなったりした人形や置物などを奉納することができ、
それが本殿やその周辺施設にたくさん並べられているのである。
淡嶋神社
淡嶋神社
▲だるまのほかにはカエルの置物・・・?
反対側にはひな人形、そして馬や羊などの銅像のような置物。神妙な空間が広がる。
淡嶋神社
▲数えきれないほどの無数の置物たち
日本人形もひな人形も、買い主のご厚意で余生を安寧に過ごせるならば本望であるに違いない。
人形は仏滅の日など指定された日以外であれば引き取ってもらうことができる。詳しくはホームページを参照

本殿の左手にはいくつか小さな社や祠などが建っているが、そのスペースにも所狭しと人形や置物たちが並ぶ。
淡嶋神社
淡嶋神社
淡嶋神社
▲招き猫、恵比須様?
おじいちゃんの置物がずらーーーっと奥まで並ぶ光景は、なんとも不思議な印象である。
それにしても前述の通りこの日は風がかなり強く吹いていた。
人形たちは地面にがっちりと固定されているのだろう、飛ばされてしまう気配など微塵も感じなかった。

淡嶋神社を後にし、海側から1枚。
淡嶋神社
▲一見すると普通の神社
あの神社の中でたくさんの人形たちが参拝者をお出迎えするなんて、下調べなしでは全く分からない。
世の中には面白い場所がまだまだたくさんあるものだ。
その淡嶋神社の近くからは紀伊水道の絶景を眺めることができる。
淡嶋神社
淡嶋神社
▲紀伊水道と友ケ島
眼前には紀伊水道、手前に見えるのは友ケ島、そして遠くに霞んでいるのが淡路島。
南西方向を見てみれば、まだ15時だというのに陽は既に西に傾き始めていた。
冬は、本当に陽が落ちるのが早いなあ。

第1話:紀州口の城
第2話:潮風と供養人形
第3話:大坂
第4話:賑わいのアーケード
第5話:赤鬼の魂
第6話:琵琶湖東岸を往く
第7話:地球に愛されし明石
第8話:銀の遺跡
第9話:光秀の痕跡
第10話:十日えびす
第11話:霧隠れの山里
第12話:地蔵の目先
他の旅行記はこちら